3月中旬のある日曜日天津の繁華街を歩いていたら、いきなり近くでドカ~ンと音がした。あれ?春節でもないのに街中で花火か??? ここでこの音を花火と思ってしまう自分は、某国生活にすっかり浸ってしまったからかもしれない。 しばらくしたらまた違う場所でドカ~ン!! 一緒にいた友人曰く「バオミーだよ、おれの田舎でも同じ手法で作っているのさ、ちょっと買ってみるか・・・おじさんいくら?」、「5元!」。路上で火を焚いて何やら作業をしているおじさんの三輪車には、できたてのホヤホヤと思われるポップコーンの親戚のような駄菓子が袋に詰めて並べてあった。この「バオミー」は、爆米と書くらしい。材料はお米かトウモロコシかである。

しばらく このおじさんが路上でどうやって作っているのか観察することにした。おじさんの手元には、真っ黒にすすけた鉄製と思われる蓋の付いた筒があった。おじさんは、それに米のようなネタを入れ いくつかの材料を入れて蓋をする。この蓋は、圧力釜のような構造の頑丈なものでがっちり締め付けて固定されている。おじさんは、路上で集めたゴミに火をつけてその筒をグルグル回転させながら過熱している。薄っぺらい金属製であれば破裂するぐらい時間をかけて火にかけている。頃合いを見て おじさんは大きな筒状の網を圧力釜の入り口にかぶせ 金属製の棒で一気に蓋をこじ開けた。バーンと大きな爆発音とともに 白い煙と膨らんで元の20倍ぐらいの体積になった米が網の中に飛び出した。それを手際よく袋に詰めて製品の出来上がりである。油は一切使わないお菓子である。味は、いまひとつであるが 子供のころこういうお菓子しかなかった一昔前の時代の人にとっては懐かしいらしい。よく見たら 農民工らしき夫婦らがあちこちでこれを作って売っていった。

 

 

 別の項で書いたが、こういう商売は、町の景観を乱すのとゴミが出るので城管の取り締まりの対象である。見つかったらまず機材没収は免れない。長いこと某国首都に住んでいて見たことがなかったのは、とっくに首都中心部では粛清された商売だったのだろう。

 

さて もうしばらく歩いていたら今度は、マンション群の路上に首にひもをつけた白い羊といきなり目があった。あれ?ペットか・・この羊の飼い主は?・・・付近には誰もいない。よく見ると全く同じぐらいの羊が毛皮だけになって転がっていた。どうも今繋がれている羊もまもなく同じ運命をたどるようだ。どうもここの露店商は羊肉の解体即売をやっていたようなのだ。日本でのマグロの解体ショーと同じだが、羊の場合 生きている羊の首に包丁を入れて殺すところから始まるので 路面は血だらけになる・・・肉は目の前で売られるので“新鮮な事は、保証つきで即売で売れてしまうようであるが、こんなグロテスクショーは見たくない。



 露天商はどこかへ行ったのか帰ってこない。我々はこの哀れな羊を横目に見ながらさらに足を進めた。この一帯は、露天商街の様相でパンからケーキ類 フライドチキンまで何でも露店で売っていた。見た目はどれも美味そうであるが、子供の頃 祭りの出店で母親にねだって「汚いからダメ!」と買ってもらえなかったのを思い出した。でも露天商が並べているものを見て歩くだけでも楽しいものである。

 

 昔、仕事で駐在していた台湾での露店は、本格的な中華料理まで作る規模の大きなものが多かった。また露店の味は、これまた一級の味、病み付きになる。当時、地元の人でも「不潔なのであまりお勧めできない」といっていたが 会社の同僚と仕事を終えて立ち寄った露店の味は今でも忘れられないほど美味だった。大豆ぐらいの大きさの小粒の生牡蠣 これを露店で数回食べたが、美味いが当たったらひどいことになる代物であった。今なら絶対に手を出さないだろう。また ハサミの長い河エビ、薄緑色のこのエビは、生きたまま殻を剥いて山葵醤油で食べる、美味であった。こんな風にいろいろな海や川の海鮮が楽しめるのも台湾の露店にはあったのだ。

 さて 露店での河エビの話だが、ここ某国大陸では女性を中心に大人気の河エビ料理がある。その名前は、「小龍蝦」!!ちなみに「龍蝦」だったら伊勢エビのことである。つまり小さな伊勢海老という名前、露店風の店でも食べれるし 最近では本格的に専門レストランまで出来て繁盛している。超辛い香辛料でゆで上げたこれを山盛りに注文して 若い女性達はパクついている。私は、10数年前スナックの若い女性に連れられて最初にこれを見たときは吐き気をもよおした「え~っ!!!?お前らこれ食うの??」 ・・・さて この川エビの正体はなんでしょう? ジャ・ジャ・ジャーン ではご登場願いましょう! 正体は、アメリカザリガニの真っ赤チン君。

 米大陸から来たこのエビは、日本でも汚い水を好んで大繁殖できる為、家の近くの小汚い池にいくらでも生息していて ガキの遊び相手をしてくれた。但し「こいつは、食べちゃダメだよ」と教えられて育ってきたので 遊び相手以外の何ものでもなかった。だって 天敵が住めない汚い水で繁殖する蝦である。ロブスターとはちゃうんやぞ!そんなもん食うな!と言いたいが 大繁盛している商売にケチつけても何にも変わらない。こっちの人に聞いてみた「日本では汚い池など汚水地に好んで住んでいるけど こちらでは違うの?」彼曰く「こっちでも同じだよ、日本より汚い池や川が多いからね・・」私「げ~・・・」一度だけ試に食べてみたが 身は少ないし固いし 決して美味しいものではない。香辛料でごまかしてあるね・・この食材は、って感じだ。まず安いのが人気の原因らしいけど 多分このザリガニの生活スタイルを知らない女性たちは、ロブスターの一種だと思って食べているのだろう。皆さん、こんなもの食べるから「ゴキ○○みたいにたくましい民族」なんて言われるのよ。



数々のザリガニメニューを掲げるザリガニ専門店の看板、ザリガニの魅力に誘われ多くの客が訪れる。

自分たちで食べるだけでは飽き足らず、最近では、身を剥いたザリガニの肉をすしネタなどで海外に輸出しているらしい。なんと湖北省で世界の70%のザリガニを生産しているそうなのである。このエビの故郷アメリカでも食用として食べられていたらしいが、最近は輸出も好調だとという事は、海外でも好んで食材として使われ始めている証拠だ。中東あたりで 寿司ねたに怪しい蝦が乗っていたら「ぼ・ぼく ザリガニ君です・・」の可能性が高い。故 ザリガニを食べ物と思わない方は気を付けたほうがいい。お好きなら別だが・・・   (2017年3月記)

    
ボクの某国論
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其の二十四  露店もいろいろ