某国ご自慢の長射程の自走砲、10年前の此処の展示会にも展示され再展示された唯一の大型装軌車両である。それまでソ連系の152㎜という規格から西側の155㎜と言う規格になった車両である。
天津のヘリコプターショーでは、常連となっているので珍しさはないが 付けられているナンバーが興味深い。LH90003と言うのは、陸軍航空旅団ではなく ショーの為に仮につけたナンバーか、実験部隊。テスト部隊などで使われているものと推定される。LH
展示された99A式戦車、10年前に展示された99G型が重量54トンと重く、国内インフラで通過できない場所が多い為軽量化を進めたタイプである。所謂「9010工程」というプロジェクトで完成した車体。2009年以来某国で流行のデジタル迷彩を採用している。砲塔後面の弾薬庫が反応装甲で守られているのでごっつい感じである。ちなみにG型は第二転輪から第五転輪の各間が微妙に広くなっていて車体が少し長かった。
04式歩兵戦闘車で、水陸両用の機能を持つ某国陸軍自慢の車体、通常タイプは、30㎜機関砲装備であるが、展示車両は100㎜低圧砲を装備している。路上では時速70Kmで走るそうだ。
この車両は11式105㎜装輪装甲突撃車である。某国陸軍この手の装輪自走砲が何種類もあって数も多いが、105㎜を採用したところは米軍のストライカーMGSに刺激を受けていることは確かである。こちらのほうが自衛隊の16式機動戦闘車より早く開発されたが、相当なライバル意識を某国マスコミの放映番組を通じて感じるので、かなり対抗意識を燃やしているのは間違いない。
↑海上迷彩がどうしてこんなに派手なブルー系になるのか良く解らないが、某国この手のブルー迷彩が大好きである。大変綺麗に見えるが果たして迷彩効果のほどは・・・疑問なのだ。YJ-8対艦ミサイルを3本のキャニスターに収めた地対艦ミサイルシステムと言えるもの。射程は、40~200Km
2017 China Military Exhibition
2017年の8月1日は人民解放軍創立90周年に当たるそうだ。そんなどうでもよい事にはサラサラ関心も無かったが、近平君が内モンゴルの大平原でまたまた閲兵式をやるというニュースと並行して、90周年に併せた軍事展覧会を首都で行っているとの報道を見たので閲兵式の内モンゴルまではとても行けないが、首都なら近いので軍事展覧会には取敢えず行ってみる事に。

 10年前の書き出しと一緒にしてみたが、年月が経つのは実に早い。あの軍事お宅だった総務部長も久々に会ったがすっかり爺くさい顔になっていた。と言う私もすっかり爺さんである訳だが、心だけは若いつもりなので一応”心ウキウキ”でお隣T市からワザワザ高速鉄道を使って 首都の軍事博物館まで出向いてみたのである。

 10年前は入場料無料・パスポートチェックなし・・だった。今回は??。博物館前の行列で係員に聞いてみた。まずパスポート提示で外国人もOKらしい。これさえ確認できれば費用の有無はどうでもよいのだが、今回も無料との事で多くの人が並んでいる。前回と大違いは、身分確認と手荷物検査がやたらと厳しいところである。厚木基地の桜祭りよりはるかに厳しいし全身検査がある。飛行機に搭乗するのと同様の検査機が用意され、身体検査も念入りにするものだから入場まで時間ばかり係って大変である。でも某国では、地下鉄もその他公共施設でも大なり小なりやっていることであり某国人もすっかり慣れっこになっているのだ。 
2017年内モンゴルの演習所で開催された閲兵式では、J-10Bが主力となっているので、A型は某国内では古いタイプとの認識があるが、実際の部隊配備ではB型はまだ1個師団しか配備されていないはずで、A型が数的にはJ-10の主力である。展示機は、エンジンはついているが23ミリ連装砲など武装は外してあった。また両翼のハードポイントにはパイロンも無くのっぺりである。
機首の機関砲は、当初23㎜と言われてきたが、実は、12.7㎜であった。エンジンの出力が弱いので 機首に重い武装を載せるのは難しかったようだ。試作機では、カナダ製のP&W(1679shp)であったが、輸出制限から量産機は国産のWZ-9(1283shp)に変わったと言われている。
YJ-8は、輸出もされており「C-802」という輸出用の型式名もある。中東では2015年10月に、アラブ首長国連合の快速輸送船HSV-2スウィフトがイエメン沖でフーシ派の放ったこのミサイル攻撃で大破すると言う事件が起きている。反面、このミサイルが僅か1700トンクラスの双胴船を撃沈できなかった事は某国内でも話題になっている、実力や如何に・・・
さて、今回展示品の目玉は???。事前にネットで確認したが高速鉄道に乗ってわざわざ首都まで足を運ぶほど珍しい展示品は特にない。航空機はJ-10Aと武装ヘリWZ-10の2機、戦車は前回と変わらない99式であるが、G型からA型(軽量タイプ)に変わっていたのと、装甲車両郡がすべてデジタル迷彩になっている事が今回の違いである。また新型の装輪装甲車や対空戦闘車、S-300もどきの国産対空ミサイル類などが新たに並んでいた程度である。でも10年前の2007CMEXとの比較でレポートするには面白いと考え足を運んだ次第であるが、実は以前と大きく変わっていたのは、こうした屋外の臨時展示物ではなく、常設展示される博物館の内部レイアウトと展示品であったのだ。すっかり作り直され一流の内装デザインとピカピカに磨かれた航空機類は、一見の価値はあるかもしれない。1度で充分であるが某国に行かれる機会があれば寄ってみる事をお勧めする。

さて ここまで書いて某国から写真を持って帰るのを忘れていた・・・・次回帰国時にUPいたします。それまで少々お待ちください・・・(2017/10/9 記)

年が明けて2018年1月再び一時帰国しましたので続きを書かせていただきます。
さて、今回の展示の主役はどうも陸軍の装甲部隊とミサイルなどの装備の方で、航空機はオマケ程度に展示されていたが、10年前のような模型ではなく一応過去飛行可能だった機体のようである。J-10Aをこんな真近で見るのは初めてであるが、今まで実戦部隊の活動を幾つか見てしまったので余り感激もない。国籍マークしか書かれていないので尚更つまらんのである。
 
HQ-16A対空ミサイル、最大6連装まで増やせるが展示は4連装のお姿。ロシアのS-300とよく似ている車両である。此処まで来ればはっきり「マネでしょ」と言われても文句は言えまい。どっち道パクリなんですから・・このミサイル、電源やコネクターにパナソニックのマークが入っており、市販の日本製部品が使われている事がネットでも話題となっていた。
これはロシアの9K58スメルチ多連装ロケットをパクった車両。よく此処まで恥ずかしくも無くコピーできるな・・・自分なら赤面しそうなパクリであるが、某国は何とも思っていない。12連装のロケットは直径300㎜。飛距離は最大150kmだそうだ。03式自走ロケット砲と言う。
07式35㎜自走高射機関砲、某国軍は米軍や自衛隊は持っている装備を意識して装備欲しがる傾向にあるが、この車体は自衛隊の87式を大いに意識して作られたような感じがする。35ミリ砲はスイスのエリコン製のものを以前ライセンス生産していたのでそれを模倣して造ったものではないか。
 87式が15億円もしたため52両しか造られなかったように、この車体も同じ位の値段らしくコストパフォーマンスは決して良くない。対空砲の象徴としてマスコミ受けするが数は多く造られないだろう。
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