歴史の歪曲を最も嫌うはずの某国にとって2015年の93日は抗日戦勝?70周年・・だそうである。歴史的に見れば今の政権は、当時の皇軍が蒋介石の国民党軍を叩いていなかったら、とっくに消えていた存在である。当時国共合作にもかかわらず日本軍との前面に出ずに必死で逃げ回っていたから生き残れたのだ・・ホントは。そんなことは、ちょっと歴史に興味がある某国の若者ですら知っている。某国現政権からしてみれば「抗日を唱えてじっと隠れていたら、天敵であった国民党軍は日本軍に叩かれて弱体化し、日本軍も欧米に勝手に負けてくれて戦後は棚から牡丹餅の戦勝国になっちゃた70周年」が正しい歴史なのだが、歪曲に歪曲の上塗りをしてでも政治的にこうしたイベントをやりたい某国は、建国10周年毎に開催する決まりであった軍事パレードを今年も行うと言うのだ。どうも近平君は、2019年の建国70周年軍事パレードまでパレードの主役になるのを待ちきれないようなのである。今後も抗日○○周年を継続すれば、建国周年と抗日周年で約五年毎に軍事パレードを行う事になり、軍にとっては訓練継続の面では良いかもしれないがお金がかかって大変そうですな・・・まぁやりたいと言うのだから すれば良いのだが、飛行機マニアにとっては10年一度のチャンスが5年一度になって、沢山の航空機を見ることが出来るのは有難いというだけである。2009年当時のように首都に住んでいない私にとって、わざわざ首都まで出向いて当日のパレードを見学するのは気が進まないが、マニアの務めとして事前の訓練はしっかり見ておきたいと考えた。

 前回の建国周年の時は、予行訓練ベースを3つまでは掌握しパレードの訓練飛行を見ることができたが J-8,J-11系戦闘機とH-6爆撃機、それに海軍航空隊のベースが分らず これらは機会を逃した。当時は色々と手を尽くしたが、ガードが固くさっぱり不明、しかし その答えは、意外なところに公開されていたのだ。某国首都の航空博物館に全部手の内が表示してあるじゃないの!なぁ〜んだ。しかも 私の生活エリアから全て300m以内のベースで7箇所か・・10年後の建国70周年をお祝いしてあげる上でも、下調べしておかないとね。

 てなことで、某国首都に居た時に休日に車で周辺を探索するなど充分な事前調査をしておいた。それが今回早くも役に立ちそうだ。 さて、その次の問題はどんな機種がどのくらいのスケールで参加するかである。ネット情報では国産機を中心に展示とあった。中華風ステルスJ-20,J-31はまだ無理であろうから、ラインナップは前回とあまり変わらない面々かもしれない。しかも建国周年に比べれば予算的にもスケールダウンするだろうから大したことないかも・・なんて。あまり大きい期待はしない方が良いだろうと考えた。

でも いつから訓練スタートするのだろう ネット情報を見ておかねば。・・

 訓練が始まれば土日でも飛ぶことがあるので近場のベースは様子を見に行ったが、それらしい気配はない。そうこうしているうちに 突然ネットにUPされた下の写真を見てタマゲタ・・・ヘリの編隊 約80機。前回 40機のヘリ編隊でも驚いたのに その倍の機数が編隊飛行している写真である。ついに某国!ヘリ版人海戦術で勝負に出るのか!



    

 この編隊以外に大きなフラッグを垂らした2編隊と、「70」の文字に編隊を組んだグループがいるらしいので、総数で100機を超える機数が飛ぶようだ。一つの疑問は、前回使った首都の某陸軍航空基地・・あのベースにはそれ程多数のヘリを収納できるハンガーが無い。どこか別のベースに分散しているのか?そうなるとそれを探すだけでも厄介である。だが、その謎も暫くして解けた。休暇帰国する際に天気が良ければ旅客機から見えるそのベースは、私が航空マニアとしてのチェックポイント。ある日、搭乗したB-787から見たそのベースには、な!何と仮設のハンガーが山のように作られているではないか。全部ここに纏めているんだ・・・だったら此処の飛行訓練では、こりゃすごい光景を見る事になるな。ヘリはコースが読めないので余り撮る事はできないだろうが・・・

 7月初旬、首都に仕事で向かう高速道路上で早速この大編隊に出会った。見事な晴天の日である。高速の路肩に車を止め編隊の一部を撮影したのが下の写真であるが、既に編隊ブロック毎に散会し始めていたので80機纏めての写真にはならなかった。




 

何れ訓練本拠地で各機体を撮影したいと期待したが、結論から言うとこの大編隊を纏りとして見る事ができたのは、この日が最初で最後であった。パレードまでの2ヶ月間、休日を利用して撮影に出かける計画を緻密に立てたが、このヘリの大編隊飛行には見放されたと言えるだろう。何度通ってもヘリの姿はなく、「昨日は飛んだんだけどね・・・」と地元の人からは言われ・・・天気に関係なく私が行く日には当たらなかった。それでも、たった1日だけ極めてガスっぽい視界の悪い天候日に現地で大編隊に遭遇した。その日ガスに隠れて大編隊を目にする事は無かったが、編隊を解いて基地戻って来た機体を1機1機数えたら、何と91機飛んでいた。す・凄い・・・



陸軍機だけで100機近い編隊となるので 全体は、200機近くになると予想でき 報道でも盛んに200機という数字が出てきていた。9月3日の映像記録をたどれば 実際には、183機が飛んでおり 内陸軍ヘリは、96機。海軍航空隊は、18機である。陸軍は、全国9か所の基地から9個旅団が編成され 空軍・海軍の戦闘機部隊は、主に北方の師団が中心であった。



爆撃機の部隊は、湖北省から第8爆撃機師団が参加 配備が始まったばかりの鼻黒H-6K型が 編隊を組む。私は、普通のバジャーの方が好きであるが、某国が改造したバジャーは、巡航ミサイルの携行数が多いらしく電子関係も進歩しているらしい。それはそうであろうオリジナルのバジャーは1960年代の飛行機であるから・・・しかし鼻たれバジャーはカッコ悪い!



空中給油機は、今回も2機が出るらしい。2機の後ろに付くのは、何れもJ-10であるが この部隊がどこで訓練しているのか どこの部隊なのか判らなかったが 山西省の第15戦闘機師団であることが 後から判明した。2009年の時は、J-10もJ-11も部隊は、統一されて参加したが 今回は、 編隊によって部隊ナンバーが異なると言う判りにくい構成だった。J-11Bが 今回初めて参加するであろうが これは、最北端の遼寧省の第1戦闘機師団のもので 従来の正規ライセンス生産J-11とは、塗装が若干ことなり 暗いブルーグレーを用いていた。




河北省の某基地で訓練するJ-11B以外に Y-8に寄り添うJ-11は、どこの部隊なのか J-11なのかJ-11Bなのか 興味が尽きないところであったが j-11で 河北省の北の某基地所属の第7戦闘機師団からの参加であった。



今回 とっても興味深かったのが 各種の特殊作戦機である、警空2000と警空200は、前回も姿を見せているので珍しくは無くなっているが 新たに警空500がい参加 上のJ-11を率いているY-8も単なる輸送機のY-8ではない。高新4号と言われるY-8T 指揮通信機能を持ったタイプである。これに 海軍からは、高新8号と言われるY-9JB電子情報収集タイプの機体が参加しているし、イギリス製の哨戒レーダー「スカイマスター」を搭載した”大垂れ鼻”Y-8Jが出るのである。しかも 海軍配備の警空200は、初参加となる。






J-10の部隊は、天津の地元部隊、2009年は、雲南から来ていたが 今回は、第24戦闘機師団が主力で 応援で 赤峰の第1戦闘機師団が参加。 警空2000の御供は、J-7から J-10に変わって首都での初めてのお披露目となる。七五三のお祝いのように J-10は、3機5機7機の編隊を組む。
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1
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最後は空中分列式の構成について、チャイナネットで使われた図式をパックって手直し、実際の構成に近い図にしたので下に並べてみよう。1から4までの順番で飛行隊が通過した。
9月3日、首都は厳戒態勢で封鎖状態、私も含めパレードは、テレビか録画を見るしかない。この日をもって私の長く孤独な挑戦は終わり当面は安息な生活に戻る、唯一残念だったのが 海軍戦闘機部隊を今回も逃した事である。また チャンスがあればチャレンジしてみたい。
本番では、何機で編隊を組むか分からなかったが この日見た編隊は、9機のグループと10機のグループ、WZ-9が3個編隊 WZ-10が2個 WZ-19が2個であった。訓練も後半戦になるまでは、武装関係は携帯せず 軽い身のこなしで訓練を続ける。本番近くになると ゴテゴテの武装携帯スタイルを採るが 武装が、全てドンガラであるようだ。
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Parade in 2015
2009年からの変化は、フランスからのライセンス生産で輸送部隊の主役となりつつあるZ-8輸送ヘリ、それに武装ヘリのWZ-10、軽武装ヘリのWZ-19が初出演となる。機体は各部隊から持ち寄った混成部隊である。この「旗持ち」の左右には、2機ずつのWZ-10が並び、警護する形を撮るようだ。この5機の編隊が2編隊飛ぶ。