海中に眠る機雷は除去されない限り、その水域を閉鎖状態の貶める。これらの危険な機雷の掃海にあたる大型ヘリ部隊の一つであるのがHM-14だ。機雷にはいろいろなタイプがあるが、船体の金属に反応するタイプは木製の掃海艇により比較的容易に排除できる。しかし船のエンジン音に反応して爆発するタイプは厄介である。いずれのタイプにせよ船上での掃海任務は命賭けなのである。そこで考え出されたのが、ヘリから曳航された掃海器具により機雷を排除する方法である。既に大西洋方面の米海軍航空隊にはHM-14とHM-15しかないが、ペガサスに跨った戦士が海中の機雷を矢で射るインシグニアを持つのが、HM-14バンガードなのだ。我々には撮影のチャンスが非常に少ない部隊であるが、湾岸戦争以来、再び掃海業務が見直され、当面は部隊が維持されると思われる。
1978年にバージニア州ノーフォークで設立された部隊で 現在もノーフォークをベースにしている。MH-53Eの側面に書かれた馬のマークは、彼らのシンボル。”Vanguard”とは、先駆けの意味である。部隊は予備人員も含め約700名 12機のMH-53Eシードラゴンを有しているようである。
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1990年10月に彼らは砂漠の嵐作戦の一環として、アラビア湾の掃海任務に参加している。陸上から、またはUSSトリポリなど艦艇からの掃海作業は、9ヶ月間に及び延べ5315時間の掃海任務をこなしている。当時は海上自衛隊も掃海母艦と掃海艇を派遣して、長い期間掃海作業を行ったが、陸上の地雷除去作業と同じで、海面を一面一面つぶして掃海しなければいけない大変な作業である。
Osan Air Base in 2011
オーサン空軍基地でMH-53が展示されるとは驚いた。先輩方の情報によれば2008年以降韓国の浦項に分遣隊が配備されたようであるが、なぜ韓国か、韓国海軍の掃海能力が極めて脆弱な上、黄海での哨戒艦撃沈事件など機雷や水雷の脅威があるからに違いないだろう。しかし、この機体が撮れただけでも遥々オーサンまで足を運んだ甲斐があったものだ。
2008年3月日本に飛来したHM-14のMH-53E(BJ-542/163066、BJ-546/164769)の内 厚木に飛来したBJ-546.フニュフニュ君の撮影による。私は、NASオシアナでBJ-545を一度撮影できただけであるが,日本でも撮れるチャンスがあったのは羨ましい。海自のものに比べネイビーブルーの機体はまた迫力が違う。馬の書かれた馬鹿でかいスポンソン(燃料タンクを兼ねる)がMH-53Eの最大の特徴だろう。
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