アメリカ海軍フリゲートの中で大量に発注されたノックス級の一番艦FF-1052ノックスに搭載されていたSH-2F(150152)、厚木基地のOHで珍しくフライト・デモンストレーションを行った機体である。胴体の上部に艦名が書かれていたのは、この時代珍しかった。テール・レターが入っていないが ”TG”である。
昭和40年代、海上自衛隊の護衛艦にはDASHと言う無人対潜ヘリコプターが搭載されていた。母艦から無線で誘導され潜水艦に魚雷を御見舞いする無人ヘリは、小さな護衛艦にも搭載が可能であった。海自は、当時鳴り物入りでアメリカ海軍DASHを導入したのであるが、当のアメリカ海軍は、DASHには早々に見極めをつけ、この発展系としてLAMP計画を進める事となる。海上自衛隊は、期待して導入したDASHであまり良い結果を得る事ができなかった為同じ轍を踏むことを恐れ、その後は小型ヘリ搭載計画には余り興味をす事無く、SH-3型の大型対潜ヘリを搭載する道を選択する方向に進んだ。これ以降、自衛艦は次第に大型化が進むことになる。
海自とは逆にアメリカ海軍は、次々に発注した高速フリゲートノックス級にカマン製の小型ヘリを搭載し、その後の大量発注艦種ペリー級もSH-2Fを搭載することを前提に設計されてした。SH-2Fは、小型の為 格納庫の面積と容積を節約でき 設計上も艦をすっきり仕上げることができたのである。
いまや 往年のノックス級やペリー級駆逐艦を日本で見ることはできないが、ペリー級が売却されたポーランドにはお古のシースプライトが搭載されているようだし オーストラリア海軍にも発展系のSH-2Gを採用してるようなので この機体を再び影像で見ることができるかもしれない。HSL-35の部隊については まったく触れずに来たが、”TG"のレターを付けたSH-2Fは、あまり撮れなかった部隊であったこと以外書ける事が無かった・・・・・(2004/6 記)