振り返れば三沢基地にF-16A/Bが配備されたのは1984年であるから、今年は、38年目になる。配備された当初F-16の部隊名は、第432戦術戦闘航空団であったが、1994年に機体は、ほぼそのままにして部隊だけが交代した。空軍組織の改編と共に、ジョージ空軍基地で解散となって休眠していた第35戦闘航空団が三沢基地で復活を遂げたのである。
この航空団は、日本のジョンソン基地(現入間基地)で創設され、横田や朝鮮半島の米軍基地、ベトナムなどを転々と渡り歩いてきた戦闘機部隊で ベトナムでの対レーダーサイト、対SAMサイト破壊で名を上げ、野イタチ部隊(Wild Weasel))として名を挙げた強者であったが、ジョージAFB時代にテールレターを"GA"からワイルド・ウィーゼルの”WW"に変えて解散後 再びアジアの極東地区に戻ってきた訳である。
ロシア軍がウクライナ侵攻において完全な制空権を取れず苦戦する様子を見れば、制空権の重要度が判るが、逆に制空権を制するために移動式や隠匿されたレーダーサイト、SAMサイトの徹底破壊が如何に難しいかが印象的であった。低空、中空.高空それぞれに対空ミサイル手段がそろっている現在、これらの完全破壊を目的とする野イタチ部隊も戦術の練り直しに迫られているかもしれない。(2022/4 記)
↑ 最初に出てきた3機のF-16Cがアーミングエリアでピン抜きしている間に、後から出てきたF-16Cが先行して離陸、久々にみるWW808”B0B”である。この機体、地元情報によると結構長い間見かけなかったそうである。尾翼のチップに文字が入っているようだ。