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VA-113のマーキングでは一番オーソドックスなパターンで、しかも最も美しい。マリンブルーは部隊ナンバーから機首の機番、テールレターまで使われていた。
このVA-113のマーキングは、1969年から1970年までの間USSサラトガに載っていた時代のもの。翌年にUSSレンジャーへ移動し1983年のFA-18への転換までずっとレンジャー配属であった。
Wings
1975年リムーアで撮影されたA-7E(157512)NE-305、渡辺 明さん撮影のものである。
A-7は同じボ−ト社のF-8クルーセダー戦闘機をベースに作られた攻撃機だった為、F-8クルーセダー戦闘機をそれまでこよなく愛していた海軍機ファンからは「クルーセダーのイメージを著しく傷つけた!」とA-7を嫌う声が聞こえた。確かにF-8のスマートで精悍なイメージはすっかり消え、ぶっとい胴体の太っちょさんになってしまったが、F-8の世代を知らない私にとってはA-4と共に最も愛する飛行機だった。F-8との違いは機体の長さだけでなく、後退翼の角度、燃料タンクを増設した為胴体が太くなった事、またエンジン等も異なっている。
夕日を浴びながら嘉手納基地の海軍スペースから離陸の為、R/W23に向かいTAXIするVA-113のA-7E。マリンブルーの鮮やかな機首番号 テールレター、黄黒の雀蜂が鮮やかでカメラを握る手が震えた。1979年の7月であったが、私の滞在中同じ番号の4機で嘉手納に2回飛来した。2回とも離陸時間は朝早い7時と夕方の6時半頃であり、タキシングを撮影する際の光線は良くなかった。でも撮影の機会に恵まれたことを神に感謝したい・・・・・

1979年7月 沈みかけた太陽の残光を浴びて尾翼が強く反射している。飛来したVA-113の各機は、片翼にしか増装タンクを付けていなかった。

ずいぶん昔、日本の政界で女性関係のもつれから代議士が訴えられた事件で”蜂の一刺し”なんて言葉が流行したが、この部隊も蜂の針をインシグニアに使っている。ただA-7コルセアの場合は、”一刺し”どころかブスブス波状攻撃でやられそうだ・・・
 VA-113は第二次大戦後の1948年に初代F4U-4コルセアを受領して部隊創設している。朝鮮戦争 ベトナム戦争にも参戦した歴戦の部隊である。1968年にA-7Bを受領して一時はCVW-3に所属し大西洋方面での任務となったが、その後CVW-2に移動しUSSレンジャーに搭載され、A-7E時代も含め”NE”のレターを付けて空母レンジャー引退の最後までこの空母に載っていた。F/A-18Aに転換した最初の実戦VA飛行隊となり、電光と握りこぶしのVA-25とペアを組んだ飛行隊でもある。1979年には厚木、嘉手納基地にも飛来したのでVA-113の美しい尾翼をGETできた人は多いが、それまでは雑誌でしか見ることの出来ない憧れのマーキングであった。(2003/10 記)
同隊は、1984年アメリカ海軍最初のFA-18戦闘機中隊として、VFA-25と共にホーネット戦闘機に転換終了している。尚 最初の航空団はCVW-14(NK)で、USSコンステレーッションに搭載された。
蜂の針をイメージしたA-7B時代のマーキング。このマーキングは黄色を基調とした矢印と黒を基調にした矢印で左右尾翼で異なっていたようだ。次回再作成するまでの間、昔作成したこのイラストを残しておく事とする