この派手なマーキングは、海軍海兵隊航空部隊に押し寄せた低視認性マーキングへの移行時期にも、全く動じずVA-303では使われていたようで、実戦から少し距離のある予備役部隊の良い所でもあった。上のND-300のマーキングと異なる部分は、尾翼の機番が青文字に変わったこと位である。
(1970~1994)
A-7全盛期 太平洋方面攻撃飛行隊の予備役部隊の1つとして、NASアラメダをベースにしていた部隊である。1970年代後半は、VA-303/VA-304/VA-305の3個飛行隊が予備役に存在し、有事の兵力不足を補う事になっていた。A-7の予備役の中で一際美しいマーキングを施していたのがこのVA-303。正にマリンブルーの尾翼に黄の鷹を描いていたが、写真のように夕日に照らされれば鷹はゴールデンホークに見える。MCAS ユマで初めて出会った彼らは、創設当初のマーキングからこのブルーベースの下地に黄色の翼を広げた鷹の絵柄に換えていた。これを目にした時は信じられないような派手なマーキングに小躍りしたものである。コルセアⅡ型のタイプは、少し古いB型であった。
1984年FA-18Aに機種転換した際のグレー色の小さくなった鷹の絵柄は、ちょっと淋しかったがVFA-303としてNASリムーアへ移動し10年の活動期間を経て、1994年に部隊は解散している。
ちなみに1980年時点でのA-7を使っていた太平洋方面の予備役部隊は下記のようになっていた。 VA-303
VA-303 Golden Hawks (A-7B使用) NAS Alameda
VA-304 Fire Birds (A-7B使用) NAS Alameda
VA-305 Draggers (A-7B使用) NAS Point Mugu
創設されてしばらくの間は、VA-303のA-7Bは、上のイラストの通り特に派手なマーキングではない。VA-303のインシグニアは、尾翼の上部に貼られており ラダーのダイアモンドが美しい。予備役部隊を示すテールレターは、”ND”。”D”がDelta(三角)を意味するので象形文字化されていて、一般的にはNDとは読めない。初期の塗装は、NDのレターの下にビューアルナンバーの下4桁を大きく書き込んでいた。
1980年ユマのリザーブダービーで初めてVA-303のA-7Bを見たときのマーキングがこれであるが、CAG指定機はもっと派手にラダーのダイアモンドを所属各飛行隊の部隊カラーに塗り分けていた。この塗装1978頃から見られるようになったが、NAVYの文字の上にVA-303と書かれている。”A”の文字の書き方に特徴があった。
1980年の頃 現役のVAは殆どA-7Eに換装されていたが、予備役ともなると現役部隊のお古を使う事が多かった。昔は退役軍人が中心で週末しか飛ばなかった予備役部隊も、次第に現役部隊と同じ錬度を求められるようになり、空母への即時展開能力が要求されるようになる。この為、使用する機体も次第にお古ではなく、比較的新しいのものを使うようになった。ちなみに、このVA-303は3個の予備役攻撃飛行隊の内、1983年に一番早くFA-18Aを受領してVFAとなった飛行隊である。