VF-102
Wings
”ダイヤモンドバックス”・・なかなか良い響きのネーミングだ!大リーグファンならずとも野球ファンだったら アリゾナ州のこの野球チームを知らない人はいないだろうが、日本の航空マニアにとっては この部隊が大西洋方面での活動が主だった為 当時はほとんど親しみは無いかもしれない。1955年フロリダ州のジャクソンビルで誕生した部隊であり 当初からこのネーミングだったらしい。アリゾナなら砂漠のイメージからガラガラヘビはよく似合う、しかしフロリダ州なのにと思いきや 意外と蛇の生息地としては有名だそうで ガラガラヘビもいるらしいのだ。砂漠のイメージが強いへびであるが・・まっ、いいか・・
 部隊の紋章には、ダイヤモンドバックス・ラットルスネークと言う種の皮膚に菱形の紋様のあるガラガラ蛇が使われている。スコードロンカラーは、赤である。2001年に大リーグの”ダイヤモンドバックス”がメジャーリーグ覇者となって まったく関係ないことだが、その年の暮れ頃にVF-102がCVW-5に配備されるのではないかとの噂がすでに流れていた。しかし ついにCVW-5の所属となり 2003年11月13日 先遣隊4機のFA-18Fが我々の目の前に彼らは登場した。
VF-102が、F-14Aを受領したのは1981年であり遅い部類である。当初 空母アメリカに搭載され1982年にF-14になって始めての航海に出ている。この部隊 F-14になってからはCVW-1以外に所属したことが無い、したがって”AB"のテールレターをつけた機体しか見たことが無いはずである。FA-18Eになって久々にレターが変わったが、何と太平洋方面のCVW-5(NF)に移って 日本にも飛来することになった。
VF-102は、上述したように1955年7月にフロリダ州ジャクソンビル海軍航空基地で生まれた部隊で 1961年にF-4Bを受領している。大西洋艦隊では2番目にファントムを受領した飛行隊で ファントム時代は胴体の上部に大きなダイヤモンド 側面に大小のダイヤモンドを3つ描き派手な出で立ちであった。1962年には当時最新鋭の原子力空母エンタープライズに搭載され F-4での初の航海を実施している。1967年にF-4Jに転換 1968年からベトナム戦に投入されたが ペアを組んでいたVF-33が高射砲、Mig、地対空ミサイルにそれぞれ1機づつ計3機を撃墜されているのに比較し 幸運にも1機の損失もなく帰国している。しかし 戦果もなかったようだ。
1981年にF-14Aに転換したVF-102は、早速TERPSを運用する能力を得て訓練に入った。この時からUSSアメリカとの縁が深く 長くペアを組んできたVF-33の解散後も 同艦に載っての航海が続いた。したがって USSアメリカと共にしてきたCVW-1のレター”AB”を尾翼のダイアモンドの中に書き込んだものしか記憶に無い。この飛行隊は、1990年代の後半に一時 全機フルカラーにするなど 派手なマーキングをしていた時期もあったが、右の写真のように 尾翼の上下にダイヤモンドバックスのラインを入れた塗装は、F-14B時代の後半のもので それまではもっと簡素なものであった。
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F-14A VF-102 "AB-102" in NAS Oceana Oct,1998
ダイヤモンドバックスは、日本名では、ヒガシダイヤガラガラヘビと言う、2.4m 15キログラムもある大きいヘビである。昔 田んぼで見つけた青大将が1.5mぐらいの大きさだったが持ち上げたら相当重く感じたので 2.4mもあれば相当重く持ち上げるのも力がいるはずだ。。この蛇 性格はおとなしく よっぽど怒らせない限り 襲ってこないそうである。"rattle"とは、尾っぽに付いたガラガラ音の出る部分であるが この蛇の毒は、神経を麻痺させるタイプではないので すぐに呼吸困難になって死ぬことは無い。ただし 出血毒と言って激しい痛みとほっておくと肉が腐って壊死を起こすので 噛まれた部分を切り取らなければいけなくなる。即死はないが、早めの処置が必要であることに変わりはない。以前ニュースで アメリカで蛇に噛まれた人が病院で 一回の治療費で1900万を請求されていた事が報道されたが これは特殊としても 野外で噛まれたらドクターヘリを呼ぶなどして費用がバカ高くなるので 生息エリアでは用心に越したことは無い。でも サソリや毒ヘビなど恐れられる動物が 好んで部隊やチーム名に使われるのだね。
この部隊では、”100番”は、芋番号。 チーム同名の”102番”が 部隊では、特別塗装の対象である。尾翼下の整流板のマーキングが面白い。
F-14A VF-102 "AB-102" in NAS Oceana Oct,1999