(Office of VFC-12)
↑ 1998年のオシアナ航空ショーに於いて、唯一飛行展示を行ったグリーン系迷彩のFA-18A(Modex12)。この部隊はA型が主体であったが、後にこの迷彩と同じModex415のFA-18Bが存在したようである。
↑ 2種類の迷彩色は、ロシアのMig-29を意識した色合いとなっているそうで、尾翼が傾斜を付けているように見せているのも、フルクラムの尾翼に似せたものである。一連の写真は1998年のものだが、前年の1997年には1年間に7回のSFARPを熟し、NASファロンの分遣隊は、975回の出撃と1346時間の飛行を行ったとあるので、かなり精力的に動いていたようである。
最盛期は12個もの飛行隊を擁したアグレッサー部隊であるが、今やすっかり数を減らしてしまった。しかし未だ健在なのがNASオシアナを本拠地とするVFC-12である。この部隊元々ワシントン州シアトルにあったNASサンドポイント”VC-12"として、1943年に創設された部隊と言うから歴史のあるスコードロンなのだ。VC-12はその後1944年にNASノーフォークへ移動し、空母に搭載されTMB-1アベンジャーでU-ボート狩り等を担当していた。1973年に現在の本拠地であるNASオシアナに移動、A-4スカイホークを受領して実戦部隊の様々な支援にあたっていたが、1988年に”VFC-12”と名前を換えDACTをメインの仕事とすることになる。1994年FA-18ホーネットの配備を受け、様々な迷彩色を施されてオシアナに同居するF-14などの訓練、実戦部隊の空対空戦闘の御相手をしている。
オシアナで初めて目にしたVFC-12のFA-18Aは、ブルーを基調としたものやカーキ系/グリーン系の3種類が存在しており、普段実戦部隊の低視認グレーのF/A-18しか見てこなかった私にとってはとても新鮮に感じた。グリーン系の迷彩はその後テキサス州のNASダラスに所属するVF-201に移管された為、今は2種類のパターンしかこの部隊には残っていないそうだが、オシアナ海軍航空基地では存在感のある飛行隊である。(2003/12 記)
1980年当時、海軍には10個のVC部隊が存在していた。VC-12はその中でVC-13と共に予備役のVCとして活動していた。VC部隊の多くが海軍の対空射撃 対空ミサイルの標的曳航などの役割から、機体を比較的派手に塗装していたにも拘らず、VC-12だけは地味であった。
VFC-12の主たる任務は、艦隊勤務に就くFA-18部隊に対する空対空訓練で、実戦に遭遇する前に、3週間程の激しい空対空訓練を積ませることで、各戦闘攻撃飛行隊の実戦での損害を減らす事が可能となる。ベトナム戦での教訓で空軍が行っているレッドフラッグ演習と同じで概念である。この訓練は”SFARP”と呼ばれているプログラムに基づいて行われる。
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