日本では、マニアにとっても殆ど縁の無い部隊であり ヨーロッパのOHに展示された機体を写真でみる程度である。VQ-1と並び米海軍の電子戦を受け持つ有力な部隊の一つであるVQ-2は、本拠地をスペインのロタにおいている。ロタと言うと日本では、グァム島に近いスペイン領ロタ島を思い浮かべる人が多いが、こちらではなく スペイン本土にあるロタ海軍基地の方である。スペインの南部アンダルシア地方の小都市カディス(CADIZ)にこの基地は有るが、カディスという街は、3000年前にフェニキア人によって作られた町らしい。正にジブラルタル海峡に突き出た位置にあり 地中海と大西洋の接点でありヨーロッパとアフリカの接点でもあるこの場所は、アラブ人、古くはローマ人なども住み イスラム教徒とキリスト教徒が互いに奪い合った地でもあった。現在でも戦略的に重要な場所であることは変わらない。VQ-2は、この地中海の要に置かれている部隊なのだ。(2002/10/4 記)
VQ-2は、1955年9月にVQ-1に続いて作られた2つ目の電子偵察、情報収集を目的とする専門部隊である。1960年からスペインのロタ海軍基地に移動し現在にいたる。ロタ海軍基地は、最近では原潜の修理で放射能問題が騒がれたが、原潜の修理が可能と言うことは 相当な設備が整った大きな基地であろうと想像できる。
VQ-2は、VQ-1同様P2V、A3D-1、EC-121M、EA-3Bなど様々な機種を使用してきたが、1971年からEP-3Eを運用し始め 1991年にEA-3Bがリタイア−したと同時に EP-3E ARIESUを受領開始した。場所柄 リビア問題(シドラ湾事件)やコソボ紛争時も活発に活動して 戦闘に寄与しているようだ。
VQ-2のインシグニアについて GO!NAVYの広江さんのサイトに Cranberry01さんが 貴重な意見を掲載され 大いに参考になりました。Cranberry01さん曰く「このコルドバ帽を被る黒マントの男、Port WineやSherryの有名メーカー”SANDEMAN”社のロゴと全く同じなのです。途中略・・VQ-2は、スペインのロタにいたようですが アンダルシア地方は、Sherryで有名のところ。そして 一昔前まではSherryと言えば、SANDEMAN社のが有名でした。VQ-2は、このロゴ・マークをパクッたのでは。」 というご意見でした。なるほど 長年の疑問が解けたようなすっきりした気持ち。多分 Cranberry01さんのご推測が当っているような気がします。ありがとうございました。
Many thanks to Mr. P.V.Oers