↑ スペインのロタの部隊であるから日本に来ることは無く、日本の航空ファンには馴染みのない部隊で、”JL”と言うテールレターも殆ど目にすることは無かった。上の写真は撮影日も場所も判らないが、VR-22所属のC-130F/Bu.No.149797。恐らく当時のスペイン国内は米軍基地も含め、軍用機の撮影に厳しい規制を掛けていたようなので、航空ファンは、この部隊が他の場所へ飛来した時にしかシャッターチャンスが無かったのかもしれない。其の為VQ-2も含め、ロタで撮影された写真はあまりない様な気がする。
VR-22”メドライダース”は、1984年10月にスペインのロタ海軍基地で創設された兵站支援飛行隊で、1985年にC-130Fを2機受領した時から実質的な活動を開始している。それまでは地中海の第6艦隊に対する支援は、同じロタに分遣隊を派遣していたVR-24が行っていたようである。1980年代後半から1990年代に掛けて、中東地域で次々に起こる国際危機に対し、第6艦隊が中心に平和維持や牽制攻撃を行っていたが、スペインのロタと言う地の利を活かしてVR-22は、第6艦隊の兵站支援に全力を注いでいた。その中には1986年のリビアに対する報復攻撃、1990年のチュニジアの洪水災害に対する支援、1991年の砂漠の嵐作戦の支援等があり、部隊が所有していた5機のC-130Fが、其々ヨーロッパ・アフリカ・ユーラシア・北アメリカの大陸で別々に動いていたと言うような状況もあったそうだ。VR-22は、1993年5月にその役目を終えて解散となっている。創設から解散まで8年間一人の戦死/殉職も機体の損失も無かった優秀な飛行隊であった。
↑ 1987年5月ドイツラムシュタイン空軍基地で撮影されたVR-22所属のC-130F/Bu.No.150687。この機体は、日本の三沢基地で1982年頃に撮影したことがるが、当時は、”BH”のテールレターを付けた海兵隊のVMGR-252の所属だった。
↑ 1990年3月にドイツのラムシュタイン基地で撮影されたVR-22のC-130F/Bu.No.149801。海軍機としては珍しく機首にノーズアートが入っている。部隊名を含め”メドライダー・エクスプレス”(Medrider
Express)と書かれている。