アメリカ海軍には、航空母艦以外にも航空機を運用できる艦艇が多い。海兵隊など揚陸部隊を支援ヘリ部隊などと共に戦場に送り込むために造られたのが強襲揚陸艦で、第二次大戦直後からこの種の艦艇運用が始まった。当初は、大戦中核的航空母艦として活躍したUSSエセックス級空母のCV-21ボクサーを、多量のヘリが運用できるよう強襲揚陸艦に改造して使い始めたのが起点である。
1961年に最初から強襲揚陸専用に設計されて建造されたイオー・ジマ級(満載18,300トン)が竣工し、7隻が完成。このクラスの後継艦として海軍の期待を担って投入されたのが、大型化されたタラワ級汎用強襲揚陸艦(満載 39,300トン)で、このページでご紹介する艦である。LHA-1の番号が与えられ5隻が就役したクラスで、250mの全長を誇り大戦中の空母赤城の飛行甲板とほぼ同じ長さである。ちなみに護衛艦”かが”は、248mとこれも全長ではほぼ同クラスの大きさとなる。
下の写真は1979年夏、沖縄で航空機の撮影をしていた私は、撮影の合間の休日有名なホワイトビーチ港に行ってみようと思い、車を飛ばしてみた。そこで港を見ながら時間を過ごしていたところ、沖合に現れたのがこのLHA-1タラワだったのだ。1976年に就役したばかりの新鋭艦が突然目の前に現れ、興奮しながら入港までのプロセスを撮影した。(2021/5 記)