HMLA-169
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海兵隊の軽ヘリコプター部隊(攻撃ヘリ)の殆どがベトナム戦期前後に創設されているが、HMLA-169も1971年9月にカルフォルニア州キャンプ・ペンディルトン誕生した飛行隊である。部隊名は、”Viper"でインシグニアは、どこかの邪教団体のようなマークであるが、恐らく受領した攻撃ヘリ”コブラ”から来ているものだろう。比較的新しい部隊とは言っても、もう半世紀になるのでアメリカの海兵隊飛行隊としては、既に多くの実戦を経験してきているベテラン部隊である。この飛行隊は、最初陸軍仕様のAH-1Gを受容して活動を開始したとされるので、海兵隊航空に配備され始めた所謂シーコブラAH-1Jは、1971年初頭未だ生産が間に合っていなかったようである。J型を運用した後は、1986年には当時の最新鋭AH-1Wに換装し、UH-1Nと共に運用している。
 部隊にとって最初の本格的実戦参加は1990年に勃発した湾岸戦争である。この戦いに参加してイラク軍と戦っているが、その後のイラク自由作戦にも駆り出され、UH-1N墜落による部隊の犠牲者も出ている。イラク戦争後治安維持を目的とするイラク国内の武装組織との戦いでは、有名なサドル師が率いる武装勢力マハディ軍とイラクの都市ナジャフを巡って戦っている。この戦いでも、この飛行隊の所属かどうか不明だが、UH-1Nを撃墜されている。2006年には再びイラクに配備されるなど、都市戦を多く戦った飛行隊でもある。(2023年5月 記)
2021年7月 HMLA169は、陸海上輸送の支援なしで、沖縄から青森県の三沢基地までの長距離移動を部隊単独で行って、その機動力を内外に示している。普天間から鹿屋などの基地を経由して、三沢までの1200マイルをこのような小型のヘリだけで移動するのは、特に海上での長い飛行が危険を伴うが、インド太平洋地域の防衛上、欠かせないものとして行われている。
(2019)
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