台湾の北西部 米で作られた麺のビーフンが有名な新竹市と言う都市をご存知だろうか。今は工業都市として栄えているこの新竹市の南”南寮”と言う田舎町に台湾でも有数の空軍基地がある。新竹空軍基地、以前は新竹南寮基地と呼ばれF-104の3飛行隊がここを本拠としていた。499戦術戦闘機聯隊第11大隊は、台湾最後のF-104実戦部隊としてその終焉までF-104を使用した為 台湾のマルヨン・フリーク達の集まる基地でもあった。私が駐在していた頃は、F-100Aを使用しており 台北上空を編隊飛行する姿を何度か目撃したが、結局撮る事は出来なかった。F-100の老朽化により第11大隊は、1983年から第41,42,44の各戦術戦闘中隊をF-104Gに換装し 1998年5月の最後のフライトまで約15年間F-104を使用し続けた。現在はミラージュ2000-5に換装しているが、これはまた別のページで紹介したい。
天空的戦士
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11th AIR GROUP
The Period of T/F-104G
高速度でのフライパスから急激な機首上げで上昇に転じるデモフライトの為だけに、機体の調子が良い4419号機(63-13647)が使われた、この時のキューンというF-104独特のエンジン音と風切りの音が多くの観客を魅了した。同じ4419号機と思われるが、2度目のローパスからの急上昇はより角度をつけてアフターバーナーを焚いて上がった為、主翼にベイパーが出ている
第11大隊徽
(11th AG)
↑序號4416と4420共にカナダのカナディアン社でライセンス生産されたF-104G。ECMポッドを携行できたようである。
(1992)
1992年8月9日 (Aug, 1992)
1992年8月の基地航空祭でデモフライトする2機のTF-104G 4178号機と4193号機。両機共にロッキード社で生産された機体で 長らく米国の4510th CCTWで使われていたもの 台湾での寿命も長く90年代後半の最後まで使われた機体であった。現在は、両機共に解体されずに 展示機として展示されているそうである。
↑上写真 F-104G4415号機は、カナディア社制作でデンマーク空軍が使っていた機体。シリアルは、62-12348.その左手F-104G 4389号機は、ドイツメッサーチュミット社でのライセンス生産機で 西ドイツ空軍で使われていた機体。シリアルは、65-12747である。両機共に1997年に11大隊4を最後に解体されている。
第11大隊は、1940年に四川省太平寺と言う所で創設された部隊で傘下に 41.42.43.44の各中隊を持ち 日中戦争時代はソビエト製のI-15、I-16などを使用していた。大戦末期には米国からの援助でP-40を大量に受け取り その後P-51等も受け取って 国共内戦では西安などを中心に戦闘を行ったようだ。1956年頃大隊はF-86Fを受領 (44中隊のみF-86Dを受領) F-100、F-104へと移行していくわけだが、この期間での部隊の移動については、極めて複雑で 空軍の歴史に詳しい台湾の友人でも判らないそうである。おそらく現在の組織になったのは、F-104Gに換装を終えた1983年からであろうと考えている。
↑ TF-104G 序號4186は、阿里山8號計画で取得された1号機にあたる。
Insignia
499TFWの各中隊は、常に不足気味の機体のやりくりの為 11大隊徽のみを尾翼に描き 中隊徽は一度も書き込んだことはなかった。
1992年8月9日 (Aug, 1992)
499TFW
↑ ハンガーにあった序號4419は、F-104Gでデンマークからの購入機。デンマーク.空軍時代R-647
↑ 一連の写真は全て1992年の新竹基地公開時のものであるが、このTF-104G 4171号機(61-3073)は、デモフライトとは別に目の前をTAXINGして行った。観客の目の前をタキシーした唯一のF-104だった為、非常に感激しながら撮影した記憶がある。本機は引退後も新竹基地のゲートガードとして暫く展示された。
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1992年8月9日 (Aug, 1992)
第41中隊徽
(41TFS)
第42中隊徽
(42TFS)
第48中隊徽
(48TFS)