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第2次大戦後、空軍と陸軍航空隊が分離されて以降も、アメリカ陸軍は300機以上の固定翼機を運用し、この数では小国の空軍勢力をも上廻っていた。陸軍航空隊が最初に大量使用したのはキングエアのC-12を防諜/偵察/連絡の為に改造したU-21
Uteだったが、ECMとISRの技術の進歩とともにアメリカ陸軍の要求も高まり、より高い高度をより長く飛べるように発展させてきたわけである。Uteになかった与圧された機体、そしてより馬力のあるエンジンを搭載したスーパーキングエア機をベースにRC-12Dが発注され1980年代から活躍してきた。RC-12Xは、この発展の最終形と言えるもので、最新のGRCSシステム(ガードレール共通センサー)を搭載し、高度なSIGINTが可能になっている。朝鮮半島からはRC-12の撤退が噂されているが、RC-12XとX+の機体は2034年まで使用を延長する計画であるそうだ。
尚 RC-12Xは現在19機が運用されており、88-00325/89-00273/89-00274/89-00275/89-00276/91-00516/91-00517/91-00518の8機がRC-12Pからの改造で造られ、92-13120//92-13121/92-13122/92-13123/92-13124/92-13125/93-00698/93-00700の8機がRC-12Pからの改造、そして93-00697/93-00699/93-00701の3機がRC-12Qからの改造である。
↑ 正確なことはここには書かないが、飛来した両日ともに数時間の岩国基地滞在で、朝鮮半島方面に帰還して行った。
↑ 2025年7月某日岩国基地に飛来した2機目の機体RC-12X/91-00518。この機体は、翌日厚木基地へも行ったようである。91-00517/90-00518共にRC-12Pからの改造機である。2017年にガードレールのX型への改造には4億6200万ドルの費用が掛けられたと言う。
↑ 2025年7月某日岩国基地に3機飛来した最初の機体RC-12X/91-00517。前日もR/W02で3機飛来しており、このような珍機が1日に3機も撮れるのは珍しいと現地のマニアも喜んでいた。私も撮っていない番号が4つも含まれており、万歳である。
↑ 2025年7月某日岩国基地に最後に飛来したRC-12X/92-13123。
↑ 2025年7月某日 朝鮮半島から岩国基地に飛来し、当日に半島に向け離陸するRC-12X/93-0697。RC-12QからXに改造された機体。レゾリュート・フォース・パシフィック演習の期間中の1週間だけで、岩国基地には延6機のRC-12Xが飛来している。