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イールソン空軍基地のもうひとつの部隊 第355戦闘機中隊、A-10の部隊である。PACAFには、韓国駐留の51st FWのA-10部隊の他に 北方を守るA-10飛行中隊が存在していたわけであるが この部隊も現在では解散したと聞いている。第354航空団といえば 元々マートルビーチでA-10 3個中隊を擁する強力な航空団であった。デイビスモンサン(訓練部隊)に次いで2番目に設立されたA-10航空団で、その前に配備されていたA-7Dの時代から地上攻撃を専門とした航空団であった。1976年からA-10Aを受領し 353th
FS 355th FS 356th FSの3個飛行隊を擁するA-10A最初の実戦部隊である。
第354戦闘航空団の部隊史を見ると当部隊1993年に一度解散している、同年8月1日にアラスカでA-10の355th FSとF-16の18th
FSの2飛行隊をもって新生第354戦闘航空団として復活したわけである。.354th FWのインシグニアは、参考の為ページの下のほうに添付しています。
Insignia of 355th FS
Insignia of 354th FW
話は少々複雑であるが、1993年8月1日の第354戦闘航空団の復活までアラスカにA-10Aの部隊が存在していなかったのかと言えば、そうではない。実は アラスカ軍団の時代からA-10、OA-10は存在していた。1981年10月1日に 当時アラスカ軍団の配下に第343混成航空団(343th CW)という航空団があり、その配下に第18戦術戦闘機中隊( 18th
FS 別ページで紹介)に26機のA-10Aが配備されたのがきっかけである。そのときには、尾翼のチップにブルーのラインをいれ 狐のシルエットを黒く書き込んでいたのだ。1991年に第18戦闘機中隊(18th FS)に名称変更になった際 機種をF-16C/Dに入れ替え、A-10は、第11戦術航空支援飛行隊として規模を縮小、1993年に第343戦闘航空団から第354戦闘航空団に入れ替わって 再び正規の戦闘機中隊として活動し始めたことになる。
A-10の尾翼を飾るのは 355th FSの”鷲”ではなく アラスカ軍団時代の名残である”北極星と北斗七星” これもまた渋い!
機首の右下方には、特殊なパイロンが張り出しているが これもA-10の特徴, 戦闘では必需品となったAAS-35ペイブペニー・レーザースポットシーカーをぶら下げる為のパイロンである。
(2006)
(2006)
355th FSのインシグニアは、胴体の右側 国籍マークの上である。
色気の無いさっぱりといたマーキングであるが、それなりに書き込むものは書き込んである。エンジンナセルに注意すれば、ナセルの淵が黒く塗られており真ん中にPACAFのマークも入っている。何も兵器をつるしていないので極めてすっきりしたイメージであるが、機首の30oガトリング機関砲は、A-10の特長でやはり迫力がある。劣化ウラン弾を使用することの出来る30o砲は、戦車、装甲車にとっては天敵である。最近の米軍等の戦車では劣化ウランを繊維上にして装甲に施して複合装甲としているタイプもあり 戦車砲に対しては無敵の防御力を誇っているが これも重量の関係で正面と側面装甲だけとなっている。A-10のように上空から劣化ウラン弾を叩き込まれたら 米軍の誇るM-1A6でもお陀仏だから この機体はまだまだ使われるだろう。
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355th FS傘下の部隊は、2007年以降大きく変更され、F-16を所有していた18thFSは機体を交換してアグレッサー飛行隊となり、355th
FSのこのA-10部隊は機体を他の部隊に移管して解散となった。2007年8月15日以降活動は停止している。