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↑ 渡辺明氏が1990年3月ノートン空軍基地で撮影されたB-1B/86-0097。ノーズアートに”Iron eagle”と書かれている、エルスワースの28th
BWの所属である。
B-1Bは現在2030年代後半まで使われると言われているが、今までの彼女の歴史は、開発→キャンセル→復活→核戦略として運用→戦術機として運用・・・と変化する政治情勢に翻弄されてきた航空機でもある。また配備された後のB-1Bの運用組織が時代と共に変わっているが、私は下記の通り、大きく3つの時代に区分出来ると思っている。
①1985~1991 戦略航空軍団(SAC)所属)時代
②1991~2009 航空戦闘軍団(ACC)/州空軍(ANG)所属時代
③2009~Present 地球規模攻撃軍団(AFGSC)所属時代
上述の通り、レーガン大統領によって復活したB-1Bの内94機は、当初戦略航空軍団(SAC)傘下の航空団に配備されていった。最初の配備されたのはテキサス州のダイエス空軍基地で、教育部隊である第4018乗員訓練飛行隊(4018th
CCTS 1986年解散)も傘下に持つ第96爆撃航空団(96th BS)に配備された。
1985年10月1日のB-1B爆撃機の核攻撃アラート任務開始から1993年のアラート任務終了までの配備部隊は以下の通り。
第96爆撃航空団 96th BW (テキサス州ダイエス空軍基地) テスト部隊として1994年以降エグリン空軍基地に移動 機体と人員は第7爆撃航空団に移管
第4018乗員訓練飛行隊(4018th CCTS) 1986年解散
第338乗員訓練飛行隊 (338th CCTS) 1993年解散
第337爆撃機中隊 (337th BS) 1993年改編
第28爆撃航空団 28th BW (サウスダコタ州エルスワース空軍基地)
第77爆撃機中隊 (77th BS) 1995年改編
第34爆撃機中隊 (34th BS) ACC運用を経てAFGSCで運用中
第37爆撃機中隊 (37th BS) ACC運用を経てAFGSCで運用中
第384爆撃航空団 384th BW(カンサス州マッコーネル空軍基地) B-1B運用期間1988~1994
第28爆撃機中隊 (28th BS) 1994年改編
第319爆撃航空団 319th BW(ノースダコタ州グランドフォークス空軍基地)
第46爆撃機中隊 (46th BS) 1993年解散
Insignia of SAC
Insignia of 96th BW
Insignia of 319th BW
↑ 1993年10月渡辺明氏がカルフォルニア州マーチ空軍基地で撮影されたグランドフォークス空軍基地から飛来した319th BW/46th BSのB-1B。尾翼のマークを見ると既にSACではなく、ACC(航空戦闘軍団)のマークに変っている。
↑1996年6月に撮影された第28爆撃航空団第37爆撃中隊のB-1B/86-????の尾翼にはブラックヒルズの彫刻の絵が描かれていた。サウスダコタ州の観光地ブラックヒルズにあるマウントラッシュモア国立メモリアルは、山肌に彫刻されたアメリカの代表的大統領頭像が有名。左からワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーンである。
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↑ 1986年6月に撮影された第46爆撃中隊(46th BS)所属のB-1B/85-0074である。46th BSは、ノースダコタ州グランドフォークス空軍基地に拠点を持つ第319爆撃航空団傘下の飛行隊で”Wolfhound”と言う愛称を持つ飛行隊である。1987年から1994年まで8年間B-1Bを使用した。SAC時代には、SAC運用の軍用機には一般的にテールコードを入れていなかったので、尾翼のマークか胴体のインシグニアから運用部隊を判断するしかない。
↑ テキサス州ダイエス空軍基地に所属するB-1Bは、尾翼に州旗をベースに牛の頭骨をアレンジしたマークを入れていた。第96爆撃航空団が核戦力としてアラーと任務に就いたのは1985年10月1日である。写真は1988年5月に撮影された96th
BWのB-1B(85-0072)で、場所の明記が無いが、背景からオシアナ海軍基地の様に見受けられる。