↑ 2機は見事な編隊を組んで、三沢基地上空を通過して行った。地元の人曰く「過去7回三沢にはB-1Bが飛来したが、何とその内2回が2025年となった。」という事だった。
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先週 悪友からの電話で「近々、B-1Bが来るみたいだ、来週かもよ・・・行ってみたら・・・ホーホホッホ」と言う悪魔の囁きが入った。三沢の、週間天気予報は雨、曇り、時々晴れのような今一の予報であり、どうするか迷ったが、一か八かの賭けで行く事にした。しかし、三沢展開初日は雨・・・ターミナル朝から私一人・・・2日目は朝曇り次第に天候回復したが、B-1Bの”ビ”の字も気配がない。地元ベテランマニア氏も「B-1? 甘いな・・・明るい内に来るとは限らないよ・・・」と冷たいお言葉。時間は3時を過ぎ、悪魔の囁きは本当に悲惨な結末で終わるかと思った時、無線(私のではない)にB-1Bの飛来情報が入った!明るい内に飛来してほしいと願ったが、それがかなう事が本当にラッキーである。
2025年4月18日 三沢基地に2機のB-1B爆撃機が降り立った。私の記憶では、2005年の三沢基地航空祭でB-1Bが飛来して以来、もう既に5~6回ぐらいはB-1Bの飛来があったのではないかと思うが、今回のこの飛来は従来の一時的な訪問ではなく、BTF(Bomber Task Force)という明確な目的を持って、長期で展開するものであった。B-1Bは数日後さらに2機が追加され 4機体制で数か月間三沢展開されると言われて、多くの航空ファンもB-1Bを狙って三沢基地展開したと聞いている。私はB-1Bの滞在が長いと高をくくっていた為、夏頃三沢展開を考えていたがB-1Bは思ったより早く帰国し、残念ながら彼らを撮影する事ができなかった。
BTF(爆撃任務部隊)は、これまでの戦略爆撃機の三沢基地飛来とは異なり、最初から長期に渡り三沢基地を拠点に活動する事が設定されている。三沢基地が正式にBTFの拠点の一つになった事もあって、グアム島アンダーセン基地やオーストラリアの空軍基地と並び、アジアで3か所目のBTF拠点が生まれた事になる。BTF構想は2018年にアメリカ空軍で生まれ、戦略爆撃機部隊を海外に展開させることで、その周辺の敵対国に対し、存在感を示し抑止効果の向上を目的としている。2025年4月~5月にかけてのB-1B展開はその第1回目に当たる。
そして このページでご紹介する写真は、2025年の第2回目のBTFでのB-1B飛来の様子になる。(2025年10月)
↑ 三沢のターミナルからでは、左手の林が邪魔をして中々大型機のタッチダウンは見れないが、この機体は比較的手前で着地したため、このような車輪からのスモークが撮れた。
↑ そして着陸の為にライトブレーク。アメリカ本国の航空祭でもめったに見る事ができないシーンである。
↑ 最初に降りたフライトリーダー機は、第7爆撃航空団第9爆撃機中隊の司令官指定機で、B-1B/86-0097。B-1Bの量産機ブロック4になる通算47号機である。この機体2025年4月のBTFでも飛来している。機首には「アヌビス神」が書かれており、その手には頭蓋骨がある。アヌビス神は、ケルベロス(三頭犬)と同じ冥府の守り神としてエジプト神話に出てくる犬の頭を持つ神である。一説では神話のモデルとなった動物はジャッカルではないかと言われてもいる。
↑ ノーズアートが、ギリシア神話に出てくる冥府の番犬と言われる三頭犬”ケルベロス”で、ダイエス空軍基地でノーズアートを担当している人物は、この手の神話シリーズが好きなのかもしれないケルベロスは生と死の境で其の間を行き来するものを許さないという役割を負って、入口の番をおこなっている。
↑当日の風向きはR/W-28、前日まで雨模様でR/W-10だったが、実に運が良い。彼らはオーバーヘッドで三沢上空のをパスする。写真の右手のB-1Bは、ウィングマンで左手のフライトリーダーとの距離を詰めて、綺麗な編隊を組むためにエンジンを吹かしているのが判る。
↑ 雨の続いた週であったが、久々の晴れ日3時過ぎにB-1B 2機が三沢基地上空に姿を現した。当日は東風が吹きR/W-28にも拘らず、山の方角から三沢上空に進入、一旦太平洋側に抜けた後に、再び太平洋側から再進入すると言うパターンを取った。グァム島経由ではなく、直接アメリカ本国からの飛来である。
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↑ さて2機目のB-1B/86-0119は、尾翼のチップラインが青白のチェッカーである為、第28爆撃機中隊の機体である。私にとっては1999年のオシアナ海軍基地での展示で見て以来、26年ぶりの再会である。