2022年10月にアメリカ空軍が嘉手納基地のF-15C/Dの撤収を通知して3年目に当たる。この3年間多くの応援部隊が嘉手納基地への3か月又は半年の派遣を繰り返してきたが、いよいよ2026年春からF-15EXの嘉手納基地配備が始まる為、スイモア・ジョンソンのF-15Eの応援派遣も今回が最後になるかもしれない。スイモア・ジョンソンのF-15Eが恐らく当月中に派遣任務を終えるはずだが、その後は某州空軍のF-16Cが予定されているそうである。嘉手納基地における最後のF-15Eの勇姿をご覧いただきた。(2025年10月 記)
↑ 週後半になって風向きが10月らしく、北風のR/W-05に戻った。月火水と3日間もR/W-23が続いたことが不思議であったが、冬場でも低気圧の位置で南風になることは時々ある事だ。朝の眩しい光を浴びた左側面は、晴れた日のR/W-05でしか撮れない。
前日 R/W-05RからのF-15Eの離陸はべたべたに低く、その後ハイレートに移行していた為、この日も同じことをするかと離陸撮影にポジションに移動した。基地の森から飛び出してくるように低く離陸してくるF-15Eを何とか捉える事ができたが、同時間に離陸したF-35Aもまた同じような離陸をしており、普段撮れないダイナミックな離陸光景を楽しめた。
F-15Eが量産型の初飛行は1986年末であるから、初期生産分は既に40年を迎えようとしている。しかし、設計上の生涯飛行時間は16000時間という事なので、仮に毎日1時間ずつフライトしても43年間の使用が可能である。アメリカでは戦闘機パイロットの年間飛行時間は200~250時間であり、戦闘機自体の年間飛行時間も定期メンテを考慮し300時間は超えないものと考えれば、50年は使える事になる。まだまだ、後期生産型は寿命が長いはずだ。
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↑ 交代時期も迫り、私にとっては嘉手納基地でスイモア・ジョンソンのF-15Eを撮影出来る最後の日となった。アメリカ本国のスイモアジョンソン基地は、撮影条件が良く、タキシングも近場で撮影できる為、F-15Eが3個飛行隊いる内に一度行きたい基地である。
↑ 10月某日 降着装置の調子が悪かったのか、SJ-1670がフックランディングを行った。着陸後、特に異常は見られず牽引車によって移動した。
↑ F-15Eは、生産当初レイセオン社のマルチモードレーダーAN/APG-70を装備している。これは従来の首振式レーダーであったが、当時として画期的なレーダーマッピング能力があった。レーダー波で反射されたデータを綺麗な地形映像に自動解像する能力に優れ、これにより空対地モードで目標を正確に捉える事ができるようになった。2008年からレーダーの改造計画が実施され、AN/APG-82(V)に交換が始まった。これにより電子戦システムが大いに強化されている。また、写真の機体下面奥でも携帯が確認されるAN/AAQ-33スナイパーXRポッドの装備が可能になり、JDAMなどGPS誘導弾の使用が出来るようになっている。因みに機体下面手前の丸い筒型の装置はLANTIRN 赤外線暗視装置で航法用に使われていると推測される。
↑ さて もう1機2025年4月に嘉手納基地到着後、不調で余り飛ばなかった機体がSJ-483であった。この機体は4月の嘉手納到着前横田基地にダイバードした際に、最後に制動ワイアーを使ったフットランディングを行った機体であり、当初は機体に何らかの問題を抱えていたのかもしれない。しかし、半年経過した9月~10月には完全に回復して毎日のように訓練に参加している。