↑ 175th FSの場合、ノーズアートが無くとも尾翼の部隊マーク自体がアートであり、F-16装備以来この部隊は絵柄を変えていない。本来ロボは南の狼であったが、アメリカ大陸には後に北部保護区域で増えた繁殖指定地のオオカミ以外、殆ど人間の手で絶滅させられている。F-16C/88-0512
Block40は、長らくヒル空軍基地の388th FWで使われていた機体で、恐らくF-35Aに更新の際サウスダコタANGに移管されてきたもの。
このページでは、サウスダコタ州空軍のF-16C部隊”Lobos”をご紹介しよう。皆さんも狼王ロボという名前をご存知だと思う。そう あの有名なアーネスト・シートンが書いた動物をモデルにした小説で 私も子供の頃夢中で読んだ「シートン動物記」に出てくるすごい狼である。シートンは、小説として描いているが 彼自身が博物学者である為 動物についても良く研究していて創作もあるが嘘を書いているわけではない。
このロボという狼は実際に存在した狼であるが、それはサウスダコタではなく 南のニューメキシコ州のカランポーという地域だった。ロボに率いられた群れに、1年に2000頭以上の牛が餌食となったそうであるから 周辺の牧場主としてはほってはおけない、そのままでは破産である。シートン動物記では、ロボの群れは美味しい子供の牛だけを食べ 大きな牛は、遊ぶ目的で殺して肉は食わなかったとあった。しかも ロボは、大きな牡牛一撃で引き倒す力を持っているだけでなく 著しく賢い。人間にほとんど姿を見せない用心深さも持ち合わせ、毒を入れた罠の肉も糞をかけて、あざ笑うようだった。地元の牧場主はお手上げで、学者で動物に詳しい友人のシートンに対応を依頼したのである。
シートンは、実際に牧場主の依頼に応じ この狼への対応に行っている。シートンは、ロボ殺すのではなく ロボが愛した雌のオオカミをとらえて殺すことで ロボを誘い捕えた。しばらく繋いで餌をやってみたが、誇り高いロボは、何にも口にせずに死んだそうである。
狼は、人に恐れられると同時に賢く逞しい獣として尊敬の念も持たれており、特にこのロボは人気者である。
私と友人たちは、2019年12月 カルフォルニア州マーチ空軍基地で このロボス飛行隊と出会った。この飛行隊のF-16Cはすでにほとんどが、"Have
Glas V"と呼ばれる新型プチ・ステルスバージョンに変わっており 塗装もレーダー反射値(RCS値)を15%も減らす材料を組み込んだ塗料だそうである。(2021年4月 記)
↑ 2024年5月17日の横田航空祭の目玉として、事前に参加の予告もあった為、多くのファンが前日のアライバルの撮影に向かった。我が師匠ウニュフニュ君も暑い中、バッチリと被写体を捉えていた。F-16 2機は16時過ぎの到着した。
↑ マーチでお目に掛かった”ロボス”を横田基地で見る事が出来るとは夢にも思わなかった。嘉手納基地に4月6日に第一陣が飛来したロボスのF-16Cである。今回飛来した6機の内、3機にノーズアートが書かれている。書かれている場所から厳密にはノーズアートとは言えないかもしれないが、F-16の場合此処の場所にアートを入れるのが定番である。
サウスダコタ州の観光地ブラックヒルズにあるマウントラッシュモア国立メモリアルは、山肌に彫刻されたアメリカの代表的大統領頭像が有名。左からワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーンである。エンジンカバー、ノズルカバーともに地元をアピールする形となっている。ノーズアートは、天のゼウス神である。
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↑ 横田航空祭の翌日21日、小雨模様の横田基地をR/W-36で離陸する175th FSのF-16C/88-0512 Block-40
2019年12月我々はマーチ空軍基地に立ち寄った。ここマーチには常に分遣隊として戦闘機部隊が常駐しており、この時常駐していたのは175th FS”ロボス”。すでに ダークバイパーと呼ばれる暗いマーキングに替わっている。フニュ君はしっかり撮影していたが、私は、ロボス飛行隊とは知らず見逃してしまったので 彼の写真をUPします。
Part-15
114th FS Lobosは、湾岸戦争勃発の翌年1991年にA-7Dコルセア攻撃機からF-16C/D戦闘機に機種交換を開始している。1993年には、砂漠の嵐作戦成功後のイラク上空の飛行禁止区域の警戒任務に就いている。2005年にF-16C
Block30からBlock-40に交換したが、Block-30時代には、多くの機体がノーズアートを入れていた。
サウスダコタ州ANGの70周年記念塗装で 左尾翼は、”70”の文字、右尾翼は、ロボの絵柄が入っている。Block-40に機種交換して エンジンもF-110-GEに替わっている。
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