57thFWにF-16Cが配備された1980年代は、非常にユニークなマーキングが多種存在していた。これらの中でブルー系の2種のマーキングをイラストにしてみた。↓
上の3枚のイラストは、1990年にネリスでよく見られたカモフラージュで、少なくとも5~6機のF-16Cがこのスキームで統一されていたようである。フルクラム・カモフラージュ”Fulcrum
Comoflage"と呼ばれ、ソ連のMig-29の薄いグレー迷彩を模したものらしい。
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ベトナム戦争で今まで常勝だった米軍の空戦における勝敗比率が急激に悪化、一時は、北ベトナム軍のほうがキルレシオが高いという結果にアメリカ空軍が危機感を高め、パイロットを実戦に出す前に本格的な空戦訓練を経験させておこうと言って始まったのが、皆さも良くご存じの”レッドフラッグ”演習である。第一次大戦の頃から新人戦闘機乗りほど被撃墜率が高く、ベテランになるほどその比率は下がっていく。これはベトナム戦時代も同じで最初の10回の出撃で生き残ることができれば あとは撃墜される可能性が大いに低くなると言う統計値から 戦場にパイロットを出す前に この10回の出撃を実戦に近いかたちで経験させようとしたのが始まりである。F-5Eのページでも同じことを書いたが、1970年代から使われたF-5Eに変わり今ではF-16Cが敵役を務めているので F-16の様々な迷彩パターンが、ここネリスではみられる。
レッドフラッグや電子戦中心のグリーンフラッグなどで ロシアやイラン、それにこれからは恐らく中国も含めた仮想敵国の軍用機を模したマーキングを施し 実戦経験の乏しいパイロットを鍛え上げるアグレッサー飛行隊、その彼らをご紹介したい。(2021/4 記)
1990年代にネリスで撮影されたシャーク系の迷彩パターン 2種類である。
上の写真は、2008年ネリスで渡辺明さんが撮影した64th AGRSのF-16Cでシャーク迷彩と呼ばれ迷彩スキーム。当時の姉妹飛行隊65th AGRSのF-15Cにも施されていたが、この他 スプリンター迷彩と言う角ばったブロックで色分けされた機体も存在していた。