F-16's Page
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嘗て 開発中のXF-16Aを航空専門誌で見た私は、その時代の主力戦闘機F-4ファントムと比較して、美しいが華奢な機体だなとの印象を持った。その後1976年10月20日8機計画されていた先行量産型のF-16Aの1号機がロールアウトした。このF-16Aは、原型のXF-16Aより機首が0.33m延ばされ、翼面積も僅かながら増えていた。実戦配備に付き始めると、身軽な機体に馬鹿デカイエンジンを積んでいるため、ペイロード(搭載可能重量)が相当あることに注目されるようになった。そこでアメリカ空軍さんが即ぐに考えたのが爆弾搭載能力を生かせないかと言う事である。また 意外に燃費がよい為、長距離爆撃行も可能と来ている。それまでのF-4があまりに燃費が悪かったため余計に注目されたのかもしれないが。

XF-16では、考えていなかったルックダウン機能もある重量級のAPG-66も備え、レードームをぶっとくして、F-16Aは立派な戦闘爆撃機となった。米空軍以外にこの機体の爆撃能力に注目していたのがイスラエルで、同期を購入後、当時脅威に感じていたイラクのオシリス原子力発電所を1981年6月8日にF-16の部隊で完全に破壊しつくした。当時アメリカは、イラン革命後のイランと厳しく対立していた為 返ってイランと戦争中のイラクに軍事援助していたのだから、微妙な立場にあっただろうが、イスラエルにとってはイラクの原子炉の存在は見過ごすことのできない驚異だったのだ。導入したばかりのF-16を使い、綿密な原発破壊計画(バビロン作戦)を基に見事にやって見せている。この事が、さらにF-16の攻撃能力の優秀な事をを世界に示すことになった。

さてさて、ここで米空軍のTAC(戦術空軍)やPACAF/USAFEに、次々に配備されたF-16の部隊を整理してみよう。ページ1でHill AFBに最初に配備されたことは書いたが、自分自身も忘れかけていた経緯を纏めてみる事にする。(2006年1月記)
 

こうして見ると、1979年のF-16A初配備から約10年間で40個飛行隊ものF-16が、空軍の主だった戦闘機航空団に配備されていたことが判る。この他、予備役航空団や州空軍にも続々と配備が続いていくわけである。1991年にTACがACCに編成換えされ、組織が大幅に変わった為、この後に新たに編成されたF-16航空団も在るかと思えば、上記の航空団の内、幾つかは既にに解散したり、名称を変更したり編成を変えたりしている。従って現在では上記の航空団の幾つかがF-16を使っていなかったり 飛行隊の数を減らしたりして、大きく様相が異なるがF-16が米空軍内の主力戦闘機である事実は今でも変わらない。(2006年1月 記)

1979年〜1990年の間に F-16の配備を開始した戦術戦闘航空団
1979年1月    第388戦術戦闘航空団(388th TFW)   ユタ州 ヒル空軍基地 (Hill AFB)
             第16戦術戦闘飛行隊 ”HL” 
             第4戦術戦闘飛行隊  ”HL”              
             第34戦術戦闘飛行隊 ”HL”





1979年10月   第56戦術訓練航空団(56h TFTW)     フロリダ州 マクディル空軍基地 (Mucdill AFB)
             第61戦術戦闘訓練飛行隊 ”MC”
             第62戦術戦闘訓練飛行隊 ”MC”.
             第63戦術戦闘訓練飛行隊 ”MC”
             第72戦術戦闘訓練飛行隊 ”MC”




1980年9月    第57戦闘兵器航空団(57th TTW)     ネバダ州 ネリス空軍基地 (Nellis AFB)



1980年11月  第474戦術戦闘航空団(474th TFW)     ネバダ州 ネリス空軍基地 (Nellis AFB)
             第428戦術戦闘飛行隊 ”NA”
             第429戦術戦闘飛行隊 ”NA”
             第430戦術戦闘飛行隊 ”NA”





1981年9月   第8戦術戦闘航空団(8th TFW)        韓国 クンサン空軍基地 (Kunsan AB)
             第35戦術戦闘飛行隊 ”WP”
             第80戦術戦闘飛行隊 ”WP”





1982年7月   第50戦術戦闘航空団 (50th TFW)      西ドイツ(当時 )ハーン空軍基地 (Harn AB)
             第10戦術戦闘飛行隊 ”HR”
             第313戦術戦闘飛行隊”HR”
             第496戦術戦闘飛行隊”HR”




1982年10月  第31戦術戦闘航空団(31st TFW)          フロリダ州ホームステッド空軍基地 (Homestead AFB)
             第306戦術戦闘飛行隊 ”ZF”.→”HS”
             第307戦術戦闘飛行隊 ”ZF”.→”HS”
             第308戦術戦闘飛行隊 ”HS”
             第309戦術戦闘飛行隊 ”HS”




1983年2月   第58戦術訓練航空団(58th TFTW)         アリゾナ州ルーク空軍基地 (Luke AFB)
             第310戦術戦闘訓練飛行隊 ”LF”
             第311戦術戦闘訓練飛行隊 ”LF”
             第312戦術戦闘訓練飛行隊 ”LF”
             第314戦術戦闘訓練飛行隊 ”LF”





1983年4月   第401戦術戦闘航空団(104th TFW)     スペインマドリード州  トレホン空軍基地 (Torrejon AB)
             第612戦術戦闘飛行隊 ”TJ”
             第613戦術戦闘飛行隊 ”TJ”
             第614戦術戦闘飛行隊 ”TJ”




1985年1月   第363戦術戦闘航空団(363th TFW)      サウスカロライナ州 ショー空軍基地 (Shaw AFB)
             第17戦術戦闘飛行隊 ”SW”        
当初からF-16C/Dのブロック25の配備を受けた最初の航空団
             第19戦術戦闘飛行隊 ”SW”
             第33戦術戦闘飛行隊 ”SW”





1985年5月   第347戦術戦闘航空団(347th TFW)       ジョージア州 ムディー空軍基地 (Moody AFB)
             第68戦術戦闘飛行隊 ”MY”

             第69戦術戦闘飛行隊 ”MY”
             第70戦術戦闘飛行隊 ”MY”






1985年7月   第432戦術戦闘航空団(432nd TFW)       日本 三沢基地 (Misawa AB)
             第13戦術戦闘飛行隊 ”MJ”
             第14戦術戦闘飛行隊 ”MJ”





1985年12月  第86戦術戦闘航空団(86th TFW)           西ドイツ(当時)ラムシュタイン空軍基地 (Ramstein AB)
             第512戦術戦闘飛行隊 ”RS”       
 ”当初からF-16C/Dのブロック25の配備を受けた2番目の航空団   
             第526戦術戦闘飛行隊. ”RS”





1987年7月   第52戦術戦闘航空団(52nd TFW)      西ドイツ(当時)スパンクダーレム空軍基地 (Spangdahlem AB)
             第23戦術戦闘飛行隊  ”SP”          
当初からF-16C/Dの配備を受けた3番目の航空団
             第81戦術戦闘飛行隊  ”SP”
             第480戦術戦闘飛行隊 ”SP”





1989年1月   第51戦術戦闘航空団(51st TFW)          韓国オーサン空軍基地 (Osan AB)
             第36戦術戦闘飛行隊 ”OS”         
当初からF-16C/Dの配備を受けた4番目の航空団で唯一F-16 1個飛行隊”



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