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ビールAFBのブラックタロンと同じ黒装束をまとい尾翼にF-117のシルエットを描いたT-38Aは、F-117Aが一般公開され始めて以降、ショーにも展示されるようになった。
F-117Aは、1988年11月10日に空撮と思える斜めから撮られた写真が初めて公表され、1990年4月にネリスで実機が公開される迄、その具体的な寸法ですら不明であった。トノパのテストレンジで夜間を中心に飛行訓練を重ねていたこのステルス機も、形状からすれば真面に飛行できるようには思えず、コンピューターで細かくプログラミングされた飛行制御装置の助けを持ってフライトができると言われてきた。U-2にせよB-1 B-2にせよチェースやパイロットの操縦感覚の維持の為に 手軽に飛ばせるT-38のような機体が欠かせないのである。
1990年4月にネリスで公開された2機のF-117Aは、所属が第37戦闘航空団(37th TFW)となっており テールレターは、「TR」であり"Tonopa
Test Rangeからつけられたレターであることが想像できたが、A-7Dに次いで すでにこの頃から「TR」のレターをつけたT-38Aまたは、AT-38Bが F-117のチェースや飛行訓練に使われていた。
F-117Aが3個飛行隊編成となって、1992年ニューメキシコのホロマンに移動した後に1993年には「HO」レターのブラックタロンがデビューしているが、基本的にF-117Aの黒い衣装を踏襲した形である。F-117引退後は、配備された49th
FWのF-22Aのアシスト役となり、塗装はブラックタロンのまま尾翼のシルエットはF-22に替わっている。2014年にホロマンからF-22もいない為、HOのブラックタロンは残念ながら存在しない。
↑2000年オシアナに展示されたT-38Aの胴体下燃料タンクには、F-117Aのシルエット"Team Holloman"の文字 チェースするT-38のシルエットが書かれている。