VAQ-133
2003年イラク戦争には多くの米軍部隊が投入された。当然、電子戦の要となるEA-6Bについては、この戦争で大きな役割を果たしたはずである。日本の岩国基地にはローテーションで海兵隊のEA-6Bプラウラーの部隊が配備されていたが、彼らもまたイラクに駆り出され岩国への平時のローティーションは大きく乱れることになった。それが日本のマニアにとっては逆に幸いした・・・何と海軍のEA-6Bの部隊がローテーションの穴埋めの為、岩国を訪れ我々を喜ばせたからだ。VAQ-133もその一つ、写真は私のHPの為にいつも応援してくれる友人が、2003年9月に三沢で撮影してくれたものである。感謝!!
VAQ-133は、2000年以前は殆ど日本ではお目に掛かった事が無い部隊の1つ。EF-111を放棄した空軍も今は統合電子戦に参加しており、プラウラーの電子戦担当将校には多くの空軍士官が従事しているとのことである。
VAQ-133 Wizardsは、VAQ-134/VAQ-135と共に元々はEKA-3Bスカイウォリアーを使用していた部隊の1つであった。当時はEKA-3B /3機とKA-3B/2機の計5機が基本編成であったそうだが、プラウラーに転換した際は、EA-6B/4機が基本編成となった。


プラウラーの特徴は、何といっても4人の乗員を乗せる長いノーズと尾翼の上で大きく膨らんだフェアリングである。このフェアリングの中には、非常に高感度なレーダー警戒アンテナ、通信妨害用送受信機等が統合的に収められ EA-6Bの根幹を成している。

又機種のコックピット4席の内 前の1席と後ろの2席には電子戦の専門将校が乗り あらゆる電波を嗅ぎまわりながら、必要に応じ妨害とレーダーサイトへの直接の攻撃を行うのだ。
VAQ-133が EA-6Bを受領した頃のオリジナルのマーキング。今のショーバードに比べると地味な塗装かもしれないが 私はこのくらいが一番美しいと感じる。燃料タンクにもトライデントマークが記入されている。ALQ-99電子ポッドを吊るしているパイロンから突き出ている先端が黒い棒状の物は、機内に装備されたALQ-126DECM用のアンテナで、敵レーダー波を検知すると対抗したエコー波を出して自機の位置をレーダー画面からずらす事が出来るらしい。EA-6Bや初期のEA-6Bに散見された装置。
1999年に撮影したVAQ-133のEA-6B。モデックス351以外は、ほとんど薄いグレー色で 味気のないマーキングであるが オシアナのOHにプラウラーが参加すること自体 非常に目面しい事である。
Many many thanks for Mr.Funyu Funyu ! !
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(2003)
(2003)
EA-6Bは4名の乗員で運用されるが、1名が航法つまりパイロット。もう一名はECM装置の操作責任者で指揮通信担当。残りの2名は電子妨害を専門とする要員で、敵レーダーサイトの周波数を分析して、周波数ごとにALQ-99電線ポッドの機能を使ってジャミングを行う役割を負う。
Wings
2003年 横田基地
2003年 三沢基地
VAQ-133は、NASアラメダで1969年3月に編成された。1972年8月にEKA-3Bから、当時最新型のEA-6Bに機種交換し、1974年から空母アメリカ(USS AMERICA)に積載されて航海している。私の記憶でも”AB”のレターを付けたVAQ-133の写真がよく雑誌に掲載されていたように思う。

この部隊1992年に1度解散の憂き目を見ていたが、空軍 海軍 海兵隊の統合電子戦運用に伴い、多くのEA-6B飛行隊が復活し 又新設された際に復活した飛行隊の1つである。現在 ”NL”のレターを付けているのは海外派遣部隊の為である。機種の”E”マークは戦功のあった部隊に送られるバトルEと言う賞を受賞した証であり、最近も多分大きな戦功があったのだろう。