VAQ-308
Wings
HOME

(1970〜1989)

1977年の5月だったと記憶しているが、厚木の先輩からよる電話があり「スカイウォリアーの珍しい機体が来ているから、明日は厚木に来た方が良いよ」との事。早速、大学授業をサボって厚木に出かけた。目の前をタキシングしていったKA-3Bスカイウォリアーの尾翼には大きな鯨が描かれており、痛く感激した。NASアラメダから来たこの珍客は、その後1度か2度と厚木・横田に飛来したが、稀にしか見る事のできない貴重な存在だった。

 VAQ-308は、VAQ-208とともに1970年にカルフォルニア州アラメダ海軍航空基地で設立された電子戦専門部隊であった。CVWR-20つまり予備役の空母航空団に所属したため、テールレターは”ND"であり、象形化されたレターで書かれている為、初めて見る人にはNDと読める事はない。機体は給油機能も持つEKA-3Bを使用。後にVAQ-208とVAQ-308は、使用していたEKA-3BからECM関連の機材を取り外し、KA-3Bと名称を変え、ほとんど給油を目的とした任務をこなしていた。その為、部隊名も1971年10月にVAK-208,VAK-308と給油を専門とする部隊名に変更されている。1989年9月30日まで活躍し部隊は閉鎖された。
KA-3B(ND-634/147656)
この機体は、1974年にEKA-3Bから電子機材をはずしKA-3Bに改造された。コクピット横にはVAQ-308のインシグニアが入っているが、VAQ-308に所属する前はVAQ-208にいた機体である。1977年5月に厚木に飛来。7月にはND-633も飛来している。 
機首の機体ナンバーModex636は、尾翼にいたるまで数字にこだわるように各所に書き込まれている。ギリシャ文字での下一桁の”Y”と 胴体最後部の”636”。これは、給油を受ける側からも機体の判別がつきやすいように考慮されている。上の634が鼻黒 636が鼻白というのも面白い。尾翼の黒い鯨は、VAK-208のインシグニアから来ているのではなく、A-3の愛称が”鯨”だったことから書かれているようだ。
KA-3B(ND-636/147662)
参考までに添付したVAK-208のインシグニア。A-3の愛称でもあった鯨が書かれている。A-3は、機体が大きいことと胴体のイメージから”Whale"と呼ばれた。