VF-154

アメリカ海軍第154戦闘機中隊(VF-154)は、F-14Aの時代に永く厚木に展開してすっかり馴染みの飛行隊になったが、F-4時代にはあまり日本に飛来することはなく、空母の横須賀寄港や日本周辺海域での搭載空母からの飛来などで記録が残っている程度である。1946年7月に創設された飛行隊で、朝鮮戦争時代にジェット戦闘機に更新しF9F-2パンサーで戦い、帰国後VF-154という今の部隊番号が与えられた。
 1966年からF-4Bファントム戦闘機を受領してベトナム戦に再び駆り出された、ベトナムにおける時間も含み1960年から1967年まで空母コーラルシーに載ってCVG-15〜CVW-15に所属していた。1967年9月より古巣のCVW-15を離れ、CVW-2に移動して1968年からはUSSレンジャーに搭載されて1979年まで11年間もテールレター”NE”を付けていた。その為F-4ファントム時代の写真は、この時のものが多く NEのテールレターと赤黒のシェブロンが印象深い。

VF-154のインシグニア黒騎士は、アメリカの小説・漫画家で有名なミルトン・カニフによるデザインである。彼の代表作である冒険漫画ステーブ・キャニオンの主人公は、元空軍パイロットと言う設定で展開され 1947年から作者が無くなるまでの1988年まで書き続けられた長い冒険物語(2022/5 記)

1979年8月に嘉手納に飛来したVF-154のF-4J。F-4J時代の日本飛来は極めて少ない。
またまた 渡辺さんの素晴らしい写真を1枚追加します。1975年 ミラマーで撮影された憧れのVF-154のF-4Jである。
Wings
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↑ ベトナム戦争時代のVF-154所属F-4J (bu.no.155743)、1968年の西太平洋航海以降F-4BからF-4Jに更新し 最後のベトナム戦を戦い その功績にクリプトン賞が与えられている。胴体には、ブラックナイトの兜が書かれたユニークなデザインだった。

↑ 1973年時のVF-154 F-4J(Bu.No.158373) CAG塗装機で 尾翼のラダーがCVW-2の所属部隊カラーで塗り分けられ 胴体と増装タンクに同じサイズの剣が書かれた有名なマーキングであった。剣の意味は、平和と正義の敵を打ち負かす事が込められている。

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↑ VF-154は、1979年にF-4の海軍最新型S型を受領して 機体をCVW-14のマーキングにしたが、1981年から載ることになったUSSコーラルシーが運用上S型が使えなかった為 再びN型に交換された。そのため S型を使用したのはわずか1年少々である。イラストはその時の物を再現してみた。主翼前縁に戦闘フラップが増設されたS型後期(F-4S Bu.No.153820)。