中国大陸でアメリカの義勇軍として戦ったボニントンが、太平洋戦争で海兵隊に応募して、寄せ集めた航空兵で構成された飛行隊「ボニントンとろくでなし達」がVMFA-214の先駆けである。ボニントンとろくでなし達とは、私生児ばかりを集めた航空兵、ろくな機材や整備部品も無い中で日本海軍の戦闘機と戦う自分たちを自虐的に表現したものである。「ブラックシープ」も前述したとおり、役に立たない連中を指す隠語である。しかし、20名以上のエースを輩出した優秀な飛行隊となって、歴史に名を残すことになり、未だにその伝統は受け継がれているのだ。前項の続きとしてここでも2025年7月の岩国海兵隊基地における彼らの訓練風景をお届けしたい。(2025年7月記)
VMFA-214 Black Sheeps deployed to MCAS Iwakuni (March 8.2025)
VMFA-214 in MCAS Iwakuni (Jul.2025)
Plane TailCode Bu.No. Plane TailCode Bu.No. Plane TailCode Bu.No.
F-35B WE-00 170051 F-35B WE-04 170056 F-35B WE-08 170062
F-35B WE-01 170053 F-35B WE-05 170057 F-35B WE-09 170063
F-35B WE-02 170054 F-35B WE-06 170058
F-35B WE-03 F-35B WE-07 170059
F-35B/WE-06/Bu.No.170058
F-35B/WE-08/Bu.No.170062
↑ 私が岩国に滞在した最終日は何と再び雨模様の天気となったが、VMFA-214のF-35Bは朝からVSTOLでの飛行訓練を繰り返してくれたので、面白い絵を撮ることもできた。
F-35B/WE-09/Bu.No.170063
F-35B/WE-06/Bu.No.170058
↑ WE-09は生産ナンバーから、今回来ている同隊のF-35Bの中で最も若い機体である。
F-35B/WE-09/Bu.No.170063
↑ 岩国基地のR/W-02で離陸し、主脚等を格納しないままR/W-20エンドまで引っ張り、漸く脚の収納を行った珍しいシーン。
↑ 本HP内で展示した機体の一覧である。ご覧の通りWE-03だけは機体の確認ができなかったが、同隊のF-35BはModexとビューアルナンバーが綺麗に並んでおり、容易にWE-03のビューアルナンバーがBu.No.170055である事が想像できる。
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F-35B/WE-01/Bu.No.170053
↑ 岩国基地に10機来ていると噂されるVMFA-214のF-35Bであるが、{WE-00」が存在するので00~09番までなのかもしれない。今回もWE-10番はいなかった。WE-00は隊長指定機ではないが、リフトファンの扉には星条旗が書かれている。離陸時しか見る事ができない、主脚等を収納した状態でのVSTOL飛行。
↑ 約2時間の飛行を終えて、岩国上空に戻ってきたVMFA-214のF-35B。毎回言うが、F-35はマッハ2の高速こそ出ないが、一部ネットでいわれるような鈍重な機体ではない。それ処かF-16を上回る機動性とパワーを持った戦闘機である。何年も種々の戦闘機を見てきた我々航空ファンが、F-35の訓練風景を見るだけでそれを感じ取れるほど、この機体は優秀である。
Wings
↑ このWE-06もWE-8もリフトファンエンジンの扉には、VMFA-214のシンボルでもある”不吉なバー”と12個の星を書いている。
↑ この機体が初代飛行隊長ボニントン大佐の名を機首に冠した隊長指定機である。但し、青を基調としたマーキングは反って機体を他の機体より地味に見せてしまっている。
F-35B/WE-00/Bu.No.170051