↑ White Bearさんが、1965年5月に撮影されたVP-28のSP-2H/Bu.No.135578
VP-28は、1962年頃からP2V-5Fネプチューンの後継として、音響装置を新型に改造したSP-2Hを使用している。P2Vシリーズは海上自衛隊が64機導入したP2V-7の系列で、アメリカ海軍が第2次大戦後初めて初期設計から対潜哨戒任務に特化した機体としてロッキード社に設計させて完成させた航空機である。機体の規模は、ほぼ大戦中のB-17爆撃機と同じサイズで、当初は機首・背面・尾部に機銃架を設置していたので、B-24を哨戒機に改造したPB4Y-1リベレダー哨戒機の思想をそのまま継承していた。つまり敵の戦闘機も警戒しながら、潜水艦を発見すれば、爆弾攻撃と共に機銃掃射も可能という造りである。対潜哨戒用にAN/ASP-20捜索レーダーやMADギア/サーチライトを追加して本格的な対潜装備となったのは、P2V-5以降でこのバージョンから424機と言う大量生産が始まっている。下の写真はVP-28所属のSP-2Hであるが、SP-2Hは、当初はP2V-7Sと呼ばれたP2Vの派生型で、AN/AQA-3”イゼベル”パッシブソナーと”ジュリー”アクティブソナーと言ったストリッパーの名前が付いたASW/ECM装置の最新のものを採用したP2V-7の完成形と言える機体。因みに”ジュリー”は、カナダ国防軍空軍第404飛行隊が試験開発した装置で、”イゼベル”の開発元はベル研究所と言われている。