(1943~1994)
VP-22の起源は1928年と言う古い時代に遡るであるが、日本軍の真珠湾攻撃以降一旦部隊の歴史は閉じられることになる。そして後にP-3オライオンを運用したVP-22は、戦時中の1942年にハワイのカネオヘで再編成された新生哨戒飛行隊VB-102の流れを汲んでいる。当初はPBY-5Aカタリナ飛行艇を使っていたが、艦船攻撃に重きを置いたPB4Y-1リベレダー哨戒機に機種変更している。これによって威力偵察から艦船攻撃までが可能となり、ハワイからミッドウェイ島までの広い範囲を哨戒していた。その後ガダルカナルのヘンダーソン飛行場をアメリカ軍が奪取するとそこを拠点に活動し、ブーゲンビル方面の日本軍基地の爆撃などで対空砲で多くの犠牲も出しながら活動した。戦後は硫黄島に拠点を置いて、テニアン方面からグァム島等を移動しながら気象偵察任務を行ったとされる。朝鮮戦争が始まると厚木基地に移動して、対馬海峡から朝鮮半島までの哨戒任務を行い、中国大陸ギリギリのラインまで近づいた偵察活動も実施していた。其の為 中国大陸の沿岸砲台からの射撃で撃墜されるなどの被害も受けている。
1955年2月にP2V-5ネプチューン哨戒機を配備し 1964年にはP-3Aの受領を開始、ベトナム戦争ではフィリピンに展開して、ベトナム沿岸でマーケット・タイム作戦にも参加している。1971年に先進的な対潜装置を搭載したP-3Bに換装してベトナム戦の最後まで南シナ海に方面に残った飛行隊だった。
↑1978年3月 嘉手納基地R/W23に着陸するVP-22のP-3B/Bu.No.154594。
↑ 1976年厚木基地R/W-19に離陸の為タキシーするVP-22/QA-4。インシグニアに使われているガチョウは、海上で潜水艦を叩き潰すデザインであるが、この鳥の習性は見事なV字編隊飛行をするところで、”雁行”とも言われる。ドイツ空軍のロッテ編隊など飛行編隊形のモデルにもなっている所から、お互いの死角を補完しながら安全を確保できるメリットがあるものと思われる。また鴈は非常に警戒心が強い鳥で、猟銃や弓を持った人間を地上に発見すると、直ぐに飛行コースを変更して、危険を避ける用心深さがある。其の為 猟をする側は鴈の群れが直上に来るまで銃は表に出せないそうだ。古い日本の合戦でも源義家が進軍している時、進行方向上空の鴈の編隊が急に乱れた事から、伏兵が潜んでいる事を推測して撃滅したと言う話があるぐらいである。
↑1960年代の初期のマーキングは他の哨戒飛行隊と同じくP-3Aの尾翼にテールコードと機番(Modex)を描いていたが、チップを白く染めて、インシグニアの海面に首を突っ込む鴈(ガチョウ)が書かれている。P-3A/QA-12/Bu.No.151365
Old Insignia of VP-22
↑ 謎のP-3・・・・1978年7月嘉手納基地をタキシングするこのP-3は、”QA"のテールコードとグースのマークを付けているが、VP-22の所属機でない可能性が高い。まず”154511”というビューアルナンバーは存在しない! そして機首側面のバブルウィンドーが平面窓になっている。そして同時期にVP-22のQA-11はP-3B”152748”が存在していた事である。よって↑のP-3は所謂 アイアンクラウドと呼ばれる機体なのかもしれないが、当HPは、マーキングでページ割振りしているので、ここに掲載する。
↑ 1978年フニュ師匠が厚木基地R/W01で撮影したVP-22のP-3B/QA-11/Bu.No.152748
Old Insignia of VP-22
↑ White Bearさんが1970年4月に撮影されたVP-22のP-3A/QA-3/Bu.No.151382。撮影場所は伊丹空港ではないだろうか?この機体は後にTP-3Aに改造され、予備役部隊の訓練用として使われたようである。
↑1970年代のVP-22所属P-3A時代末期からP-3B使用初期のマーキングで、青い鴈(ガチョウ)が尾翼に入ったのが特徴だが、鴈の大きさと翼の書き方がその後1970年代後期のデザインと異なっている。P-3B/QA-1/Bu.No.154600
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↑ White Bearさんが1967年4月に撮影されたVP-22のP-3A/QA-7/Bu.No.151391。1962年秋ごろからVP-22に新規生産された一連のP-3Aが次々にVP-22に配備されたが、本機もその1機になる。同隊はベトナム戦での地上攻撃や小型船攻撃の為に為に、翌年の1968年から空対地ミサイル ブルパックの装備・運用を始めている。尾翼の鴈(ガチョウ)のマークは白地に、恐らく暗い紺色で描かれているものと推測できるが、余程近づかない限り何が描かれているのか判らない・・・
↑ 場所が不明であるが、1978年5月に撮影されたVP-22のP-3B/QA-1/Bu.No.154600。ページ冒頭に掲載したイラストと同じ機体であるが、鴈のデザインが変わったのがお分かりだろうか?上部を細く絞ったバーバースポイントのマークも特徴である。