VRC-40
艦隊を戦術的に支援する飛行隊、分かりやすく言えば海軍艦艇の部隊が行動する上で 連絡、輸送、様々な補給を行う飛行隊の事で空母に着艦できる機体を使っている。 厚木でよくお見かけするVRC-30のC-2Aが身近な存在である。VRC-30が太平洋の艦隊支援飛行隊であれば、VRC-40は大西洋方面での支援飛行隊と言うことになる。海軍には この2つのVRCしか存在しない。
 VRC-40は、ローハイドと言う部隊名を使っている。インシグニアも馬に股がるカーボーイと洋上の空母である。若い方はご存じないであろうが、私の子供の頃のテレビドラマで人気のあった西部劇連続ドラマ「ローハイド」から来ている。”ローハイド”は、南北戦争後の時代の物語で、戦争で疲弊し食料が不足していた東部地域にテキサスの豊富な牛肉を売りさばく為、牧場主に委託された数千頭の牛を輸送するカーボーイの物語であった。テキサスのサンアントニオからミズーリにある牛の列車輸送に一番近い駅まで 延々何百キロも牛を引き連れての旅であるから 途中でいろんなことが起きる。「牛泥棒」なんて言葉はこのドラマではじめて聞いた単語だった。私の父がこのドラマが好きで家族でよく見ていた。クリンスト・イーストウッドが副隊長のロディ役で出ていたが、これが可愛かったと記憶している。当時は 主役の隊長のほうがかっこよく印象が強かったが、今では彼もスーパースターである。また フランキー・レーンの歌う主題曲は、本当にリズムがよく西部劇に合う名曲であり、ずっと構成に造られたブールス・ブラザーズの映画でも鞭を叩きながらこの歌うシーンが出てくる。ちなみに「Rowhide」は、なめす前の皮のことらしい。ここまでの話でVRC-40のネーミングが結構彼らの活動にマッチした命名であるのがお分かりだと思う。(2006年5月 記) 

↑ 2024年3月25日岩国基地を離陸するVRC-40のC-2A。見掛けこそ以前のVRC-30と変わらないが、胴体にVRC-40 DET-5と書かれており、まさかVRC-40が太平洋方面の空で見れるとは思わなかった。オスプレイの墜落事故を受けて、C-2Aを暫く使う事になり、解散したVRC-30の代わりにVRC-40の分遣隊と言う形で岩国に2機配属されている。もう一機のModexは”21”である。

VRC-40は1960年7月に創設された部隊である。主に大西洋に展開する第6艦隊の支援を目的とし、バージニア州のノーフォーク海軍航空基地をベースにしてきた。C-2Aグレーハウンドを受領した海軍最初の飛行隊として記録されているVRC-40は、約12機のC-2Aを運用し300人の人員で構成される。もちろん、これらの機体は部隊として全体として運用されるのでなく、各機が航海に出た空母に対して単機または複数機が派遣される形で運用される。従って、本来の飛行隊が持つテールコード”JK”をつけることは殆ど無く、派遣される空母航空団のテールコードをつけるか最近ではノーマークで運用されることが多い。
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Old Insignia of VRC-40

オシアナ海軍航空基地で撮影したVRC-40のC-2A

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