VF-102

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ダイヤモンドバックスは、日本名ではヒガシダイヤガラガラヘビと言う、成長すれば全長2.4m/15Kgもある大きいヘビである。私が中学生の頃、田んぼで捕まえ抱え上げた青大将は全長1.5m位の大きさだったが、かなり重く感じたので、2.4mもあれば相当な重量で持ち上げるのも力がいるはずだ。この蛇、性格は大人しく、よっぽど怒らせない限り襲ってこないそうである。"rattle"とは、尾っぽに付いたガラガラ音の出る部分であるが この蛇の毒は神経を麻痺させるタイプではないので、直ぐに呼吸困難になって死ぬ事は無い。但し出血毒と言って激しい痛みを伴うとともに、ほおっておくと肉が腐って壊死を起こすので、噛まれた部分を切り取らなければいけなくなる。即死する事はないが、早めの処置が必要であることは間違いない。以前見たアメリカでのニュース記事によると、砂漠で蛇に噛まれた毒たヘリを呼んだ人が病院から請求された一回の治療費が1900万円(日本円換算)もの高額だったとあった。これは特殊ケースとしても野外で噛まれたらドクターヘリを呼ぶなどして費用がバカ高くなるので、生息エリアでは歩行にも用心に越したことは無い。でもサソリや毒ヘビなど恐れられる動物が、好んで部隊やチーム名に使われるのだね。
VF-102は、上述したように1955年7月にフロリダ州ジャクソンビル海軍航空基地で生まれた部隊で、1961年にF-4Bを受領している。大西洋艦隊では2番目にファントムを受領した飛行隊として、ファントム時代は胴体の上部に大きなダイヤモンド、側面に大小のダイヤモンドを3つ描いた派手なマーキングでだった。1962年には当時最新鋭の原子力空母エンタープライズに搭載され、F-4Bファントムでの初の航海を実施している。1967年にF-4Jに転換、1968年からベトナム戦に投入されたが、ペアを組んでいたVF-33が高射砲、Mig、地対空ミサイルにそれぞれ1機づつ計3機を撃墜されているのに比較し、この飛行隊は幸運に恵まれ1機の損失もなく帰国している。(しかし戦果もなかったようだ。)
F-14A VF-102 "AB-102" in NAS Oceana 1999
この部隊では、”100番”がボスではない。部隊番号と同じ”102番”が特別塗装の対象である。尾翼下の整流板のマーキングが面白い。
↑ 上のショーバードとは対照的に、部隊所属機の標準塗装はロービジ規定に忠実な地味なものであった。このイラストのAB-105はF-14B/Bu.No..162692のもので200110月頃の塗装例である。機首のコックピット下にレーザー誘導爆弾のシルエットと「Operation Enduring Freedom」の文字が入っており、20019月に起こった同時多発テロに対するアフガニスタンへの報復攻撃参加を示している。

↑ VF-102のF-14として最後を迎える数年前、ショーバード用として歴代最も派手なマーキングが2002年に施された。インシグニアは、フルカラーのままダイヤ自体を尾翼全体に納まるよう配置され、テールレタ「AB」は、尾翼内側に書かれるようになっている。ABのレター下に書かれた「TR」は、当時 CVW-1を搭載していた空母トルーマンを指すものだと思われる。

↑VF-102がF-14A型からB型に機種更新を完了したのは1995年、B型のなって間もなくの19941996年に部隊全機に施されたマーキング。何故かこのAD-110は、ラダーの「USA」が黒ではなく星条旗色の赤、白、青で書かれている。また各所注意書きは、ベース色がすべて黒に統一され赤文字で書かれている。他の部隊が地味なロービジ塗装の中、VF-102だけがこの時期ほぼ全機フルカラーマーキングを施しており、ショーでも注目の的であった。F-14B/Bu.No.162918

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Page-2のイラストは、部隊がF-14B型を受領した後の塗装例を少し並べてみる。

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