VAQ-131
1月10日は時々吹雪く曇り空、火曜日と言うのに航空自衛隊F-35飛行隊もお休みを決め込んで飛行無し、EA-18Gは音も姿も無し・・・それでも35th FWのF-16C/Dは、朝からバンバン訓練を行って一人ポツンとターミナルで凍えながら撮影している私を励ましてくれた。さて今日程最後の1月11日は、ラストチャンスである。朝から気合を入れて行った三沢空港ターミナル屋上は、今日も私一人だけ。朝方は寒い中、友人か恋人の見送りに来た女性が一人、JAL機に手を振る為に訪れただけだった。今日もVAQ-131はダメかな・・・ラジオコールが入れば地元マニアが数人はターミナルに来るはずだが・・・それもない。私の心に半分あきらめムードも漂い始めた。ふと横を見ると若い学生風のマニア君が写真を撮り始めている。聞くと学生ではなく海運業で働いているタンカーの船員さんだそうである。3か月の航海を終え久々に三沢展開したそうで、民間機も撮るそうだ。彼と話が弾み、最近の動向について聞かれたので、目の前で離陸して行くWW-884(ダーク・バイパー”Have Glass V")の話やVAQ-131の新マーキング等説明をしている時、海軍エリヤからスパホらしいエンジン音が聞こえてきた。「エンジン音聞こえてきたよね」「えー聞こえますね」。期待が少し湧いてきたが”色付きのNL-550”とは限らない。暫くして彼が、「転がってくる機体の尾翼に色が付いてますよ・・」と液晶画面を見せてくれた。思わず少年のように喜び合いガッツポーズである。転がりが撮れれば、後はこの季節でしか撮れないスノー・レフレクションを狙った降りの写真を撮りに移動である。
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↑ 降りのポイントに移動する前にもう1機NL-551/Bu.No.166934が出てきた。先程の3機とは別行動のようで、戻ってくるか心配だったが、厚木基地に向かって飛んで行ったようで、後情報では夕方遅く三沢に戻ってきたようである。
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VAQ-131の部隊名はPage-1(EA-6B)の項でも記載したとおり”Lansers"(長槍)であるが、最近のマニア諸氏は、”スカイボルト”と呼んでいる。スカイボルトは、彼らのラジオ・コールサインである。2014年から現在のEA-18Gグラウラーを使い始めたが、前回三沢海軍基地(NAF MIsawa)・・以下三沢基地と略・・に飛来したのは2020年11月だった。VAQが三沢基地に配備されている間の守備範囲は、インド太平洋地域の広い範囲の安全保障と作戦遂行であり、対面で同居している第35戦闘航空団(35th FW)との共同訓練を通じ、電子戦とワイルドウィーズル任務を如何に統合的に遂行するか等の多くの事柄を実施していく。2020年11月から2021年4月まで迄の半年間で、VAQ-131は海軍・空軍・航空自衛隊の訓練での出動188回を加え、600回近い出撃訓練をこなし950余時間の飛行時間を消化したとされる。彼らにとっても三沢展開時の訓練は貴重な経験となっているはずだ。
 今回は、2020年の駐留に続き2度目の三沢展開となるが、CVWに組み込まれて空母での運用が多かったため、三沢展開が少なかった飛行隊の一つでもある。マーキングを一新して2022年10月に飛来して以降、12月には嘉手納基地に長期訓練に出るなどして、暫く三沢基地に居なかったため、2023年1月に彼らを追う事にした。
やっと天気も回復してきたし、早いところ着陸ポイントに行こう!飛行機写真撮影の基本に立って、できるだけ被写体に近づき、スノーリフレクションと空気の層を重ねないシャープな写真を撮りましょう。タンカーマンの彼に移動する話をしたら、「僕はそこに行ったことが無いので、ご一緒して良いですか?」と。「大分雪の中歩くことになるけど、それでも良いなら、もちろんOKだよ!」と答え 缶コーヒーをご馳走して、さぁ出発だ!
↑ 一昨日も単独1機の飛行、昨日は飛行なし。そんな状況だったので後続機が出てくるなんて考えていなかった。ファインダーで隊長機を追い続けていたら、何と後ろにもう1機NL-554/Bu.No.168388 が付いてきた。これも私にとっては初撮りである。
↑ 更にもう1機NL-553も出てくれた。3機でのローカルフライトである。天気は、朝方から小雪交じりの曇天ではあるが、天気予報は晴れに転じる予報である。
タンカーマンの彼曰く「JAL機の出発前でゲートも空いているので、邪魔になるものが無くていいですね・・・」。ホントだ言われてみて気が付いた。運が向いてきたみたいである。
↑ VAQ-131の隊長機NL-550/Bu.No.168937。尾翼内側の赤い矢尻の入ったマークは、この部隊が創設時のVAH時代(VAH-4)のインシグニアである。この機体だけは尾翼裏側のこのマークが見えるカットを撮っておかねばならない。
Wings
↑ 並んでしまうとエンジンの排気熱のせいで空気がゆらゆらと揺らぎ、雪の情景と合わせその場の雰囲気が出る写真しか撮れないが、それもまた良いのである、シャープな画面は手前のタキシングで抑えれるから。夏場であれば、手前のタキシングシーンでさえ揺らぐのである。